パーソルビジネスプロセスデザイン
カスタマーサクセス業務は、「営業プロセスの一部専任化」「カスタマーサポートの拡張業務」の、いずれかの側面を持つことが多い。導入/活用支援、運用定着、アップ/クロスセル、チャーン防止──と業務は広範囲におよび、人材確保は困難を極める。そこで注目されているのがBPOだ。営業、サポートの、いずれのニーズにも対応するパーソルビジネスプロセスデザインに現状を聞いた。
SaaS企業では当たり前の存在となりつつあるカスタマーサクセス(CS)部門。数年前は、営業やマーケティング部門がCSを兼任するケースが多かった。しかし現在は、専任化が進行し、採用市場でも募集案件が増加傾向にある。
その一方で、課題も生まれている。ソリューション導入から活用支援、チャーン防止など、対応する範囲が広く、これらに対応できる人材は慢性的に不足。そのため、BPOベンダーの中には、注目分野と注力する企業もある。

コールセンター向け、営業部門向けなど、幅広いBPOサービスを提供しているパーソルビジネスプロセスデザインもそのひとつだ。
最も大きな特徴は、CSに対して“営業”と“サポート”の両輪からアプローチできる柔軟性にある。国内のカスタマーサクセス部門には大きく、「営業部門からの派生」と「サポート部門からの拡張」がある。
前者は、営業プロセスの一部を専任化し、既存顧客を支援するとともに、アップセルやクロスセルといった利益追求型のKPIを重視するケースが多い。後者は、コールセンターなどに寄せられる困りごと──トラブルシューティング業務から利用支援、場合によってはアップ/クロスセルまで担う。BPOベンダーがCSを展開する場合、どちらか得意分野に偏る傾向が強い。
パーソルビジネスプロセスデザインは、営業からの案件を、ビジネストランスフォーメーション事業本部セールストランスフォーメーション統括部が担当。サポート型は、コンタクトセンター統括部が担い、両者の関係も強固だ。
セールストランスフォーメーション統括部では、約40名がCS業務にあたる。1プロジェクトあたり、2〜6人と幅のある体制だ。
業務は、オンボーディングに始まる一連のCSフローに沿って伴走する。契約手続きや、定着支援といった「実行支援」。カスタマーセグメントの定義、NPS設計といった「設計支援」。さらにコンサル業務も提供する。図のようなサービスを取りそろえ、「組織や業務に常駐し、業務支援をしてプロジェクトや業務を推進します」(同部森岡 崇マネージャー)。

一方、コンタクトセンター統括部は、札幌コンタクトセンターの約10名が対応している。
CS業務の専任チームは設けず、クライアントから受託している業務(主にBtoB)において、オンボーディング段階での課題が発見された際に、「こんなことをしませんか」と伴走支援を提案する。
同部はもともとアウトバウンド業務に強みを持ち、その業務課題がフックになることも多いようだ。「クライアントからアウトバウンド業務を依頼されたとき、多くは契約完了までが支援範囲ですが、『契約した後の定着がうまくいかない』『契約更新のプロセスに課題があり、伸び悩んでいる』などを相談されることがありました。そこで私たちにできることはないかとCS業務を始めたのがきっかけです」とコンタクトセンター統括部の宮古大輔部長は説明する。“入り口”は異なっても、期待する効果は、オンボーディング、契約更新時の離反抑止と共通している。森岡氏は、「これまでのノウハウを最大限活かすことができる領域。しかし、課題感としてはアップ/クロスセルも大きくなりつつあると感じています。支援領域として注力する方針です」と今後の方針を説明する。
カスタマサポート部門においては、「BtoB案件が多いためか、CSの実践は当たり前になりつつあります」(宮古氏)という。
また、「少し前まで多かった“CSをやってみよう”というフェーズは完了していると思います。“取り組みはじめたが、この先の進め方をどうするか”“他社との差別化”“既存顧客とコンタクトは取っているが、それをさらに有効に働かせる”など、ネクストステップに移行しています」と分析する。
ニーズに対応するには、人材育成が欠かせない。その課題は“営業プロセスに対する意識改革”だという。
「クライアントは、事業を伸ばしたいとご依頼いただいています。ですから、私たちの活動は必然的に営業に近いものとなります。しかし、サポートに従事する人材は、クライアントの成功に伴走するホスピタリティを発揮したいという考え方が主流。サポートおよびCS職はセールスではないと認識している人の意識改革に時間を割いています」(森岡氏)。
数カ月前と比べ、CS業務の受託件数は伸びている。
森岡氏は、「BPOビジネスにとってはビジネスチャンス。2024年10月に組織改編をしたことを受け、2部門が同じ事業本部となりナレッジの共有もしやすくなりました。さらにCS領域のBPOを促進させていきたい」と展望を述べる。
(月刊「コールセンタージャパン」2025年3月号 掲載)