実践編
第26回
日本国内での死亡者数は、年々増加傾向となっている。この死亡者数と市場規模が直結するのが葬儀業界である。昨今のコロナ禍や少子化の影響もあり、葬儀の形態に変化が見られており、まさに変革の時期を迎えている。今回は、葬儀業界のトレンドに即したWebサイトでの情報提供の重要性を把握し、Webサイトのあるべき形を考察する。
現在、日本国内の死亡者の数は、年間150万人を超えており、増加傾向にある。これらの死亡者数と直結するのが葬儀数だが、昨今のコロナ禍の影響により、葬儀を取り止めたり、人をなるべく呼ばない葬儀形式が増えている。葬儀縮小化の傾向はコロナ収束後も続いており、「家族葬」の需要が高まっているようだ。
葬儀業の売上推移を見ると、年間50万件近くの葬儀が開催される中、売上高は大幅に減少している(図)。これは1件あたりの単価が下がっていることを表しており、「家族葬」を中心とした小規模葬儀が増えていることがわかる。他にも以下、いくつかの傾向が見られた。
◯葬儀の小規模化:少人数の家族葬の増加、高齢化が進むことによる葬儀費用の抑制傾向、核家族化などで交友関係の把握が困難
◯価格競争の激化:新規参入業者の増加(葬儀社数は2000年と比較すると5倍に)、インターネット広告などの普及により価格競争が進行
◯葬儀の多様化:一般葬が当然だった時代から価値観の変化、生前に葬儀準備の進行、一日葬や直葬、樹木葬儀など、自然葬の葬儀形式の多様化