一般財団法人カスタマーハラスメント対策協議会(東京都中央区、香川希理代表理事)は10月28日、都内で「第1回 全体ワークショップ カスハラ対策 情報交換会」を開催した。
企業や業界団体の担当者など30名弱が参加し、カスタマーハラスメント対策の基本方針や相談体制、マニュアル、研修などの整備状況を共有。録音・録画、ビジネスネームの使用、悪質な顧客への契約解除・サービス停止、顧客情報の共有など、実務上の課題について、意見が交わされた。
基本方針の策定では、グループ全体で共通の方針を設ける企業がある一方、顧客接点や事業特性に応じて個社の方針を定める事例が紹介された。
また、小規模事業者が独自に基本方針等を作成する難しさを踏まえ、一般社団法人マンション管理業協会が作成したガイドラインについて解説。さらに、中小企業が多い業界として、全日本葬祭業協同組合連合会では、同団体が基本方針の雛形や策定例を提供し、会員企業を支援している取り組みが取り上げられた。
相談体制の整備については、香川代表理事が、「現場の担当者が判断に迷った際に、本社や専門部署へ相談できる体制の整備が重要」と言及した。
マニュアルの整備では、住宅関連の事業者が、職員へのアンケートで被害経験や現場の要望を把握し、内容に反映した事例を説明。金融機関では、窓口の対面対応と電話対応を分けて対応方針を示し、現場の意見などを踏まえて改訂を重ねている。
一方、マニュアルを整備しても、従業員への周知・浸透が課題となっているとの声も挙がった。
これについて外食業の参加者からは、学生アルバイトや外国人従業員など、多様な人材に内容を理解してもらう難しさが語られた。
研修については、香川代表理事が、「実際の事例を用いたロールプレイングが有効」と解説。「まったくシナリオがなく進めてしまうと、上手くいかないことが多い」と強調した。なお、研修について運輸関連企業では、全国の管理者を対象に研修を実施。安全配慮義務に関する講義に加え、現場で発生した事例をもとに対応方法を検討する時間を設けていると説明した。
このほか、顧客対応の録音・録画と個人情報保護の両立、ビジネスネームの運用、契約解除条項の整備、悪質な行為に関する情報共有の範囲なども議論された。参加者は、対策の整備だけでなく、従業員保護と適切な顧客対応を両立させるための運用上の工夫や課題についても情報を共有した。