中古車販売「ガリバー」を運営するIDOM(東京都千代田区、羽鳥貴夫代表取締役社長)は、顧客接点領域における開発基盤として、セールスフォース・ジャパンが提供するAIエージェントプラットフォーム「Agentforce」を採用、商談化率や成約率の引き上げを図り、年間約60億円の売上創出を目指す。
同社は2030年を目標に、クルマ選びから購入後まで顧客1人ひとりに寄り添う「まちのクルマ屋」の実現を掲げている。「生成AIなどの進化により環境が大きく変化するなか、従来の競争優位性だけでは顧客から選ばれ続けることが難しくなる」と捉え、AIを活用した顧客体験と事業プロセスの変革を推進。具体的な施策として、コミュニケーションアプリ「LINE」を通じ、商談が不成約となった顧客へ自動で対話・再提案を行う「自動追客AIエージェント」を導入した。
また、セールスフォース・ジャパンのインサイドセールスエージェント「Piper」を日本で初めてパイロット顧客として導入し、24時間365日の即時応答体制を構築してスムーズな商談化を支援する。Piperは顧客からの問い合わせに即時に応答、ニーズを把握したうえで最適な店舗や営業スタッフにつなぐサービス提供の基盤となる。さらに、顧客分析や経営管理においては、データインテリジェンス・プラットフォームの「Databricks」とSalesforceの「Tableau」を連携して活用。顧客接点から蓄積されるデータと事業データを横断的に活用・分析し、AIエージェントによるアクションから経営の意思決定までをデータで支える基盤を構築する
開発基盤としてAgentforceが選定された理由は、AIエージェントの開発・展開の容易性と投資対効果に加え、顧客接点からデータ活用、分析までを一貫して支えるプラットフォームとしての評価が高い点にある。「Data 360」とDatabricksのゼロコピー連携を基盤として、既存の顧客管理システムに蓄積された顧客データや業務データを従業員ならびにAIエージェントが活用し、人とAIが協働できる環境を整備する。
今後は、納車時の案内やアフターサービス、車検・乗り換えの提案など、購入後の顧客接点にもAIエージェントの活用領域を広げていく方針。同社はAI導入を単なるコスト削減や省人化の手段にとどめず、事業全体の生産性と競争力を高め、顧客ライフサイクル全体を通じた価値向上と持続的な成長を目指す。