TOPPANは2026年10月、公的統計などを基に日本の人口構成を再現した“日本の縮図”となる10万人のAIペルソナで構成した生活者データ基盤を構築し、同基盤を活用するCX(顧客体験)支援サービスの提供を開始した。流通・小売業やメーカーなどを対象に、生活者理解を起点とした顧客体験の構想から施策のクリエイティブ生成、事前検証・改善までを一気通貫で支援する。

生活者の価値観や購買行動が多様化しトレンドの変化が短期化するなか、企業には生活者への深い理解を迅速に施策へ反映し、PDCAを回すことが求められている。しかし従来は、調査や企画、制作、検証の各部門が分断され時間とコストを要していた。また、自社が持つPOSデータなどの既存データでは未顧客や潜在層を含む市場全体を捉えきれず、さらに代表像を数人程度設定する従来型のペルソナでは、多様な実態や市場規模を十分に反映できないという課題があった。
同社はこうした課題に対し、国勢調査や家計調査などの公的統計を基に合成人口法を用いて日本の人口構成を再現。47都道府県を網羅して15歳以上の生活者を40のクラスタに分類した基盤を整備した。人口統計上の属性に加え、同社が蓄積してきた生活価値観や買い物行動データ、電子チラシサービス「Shufoo!」のデータ、SNS情報などを多角的に統合している。
同サービスでは、地域や年代、世帯、所得、価値観などの条件から目的に応じた対象群を抽出、AIペルソナとの対話を通じてニーズや行動背景を把握する。さらに、AIが季節や商圏に応じた販促施策案を高速かつ大量に生成する他、Webカタログやチラシ、バナーなどのクリエイティブも作成する。生成した複数案に対するAIペルソナの反応や評価を比較・検証できるため、企画から事前検証に至るサイクルを大幅に高速化することが可能である。
同サービスの標準版(10万人のAIペルソナで構成された生活者データ基盤)の価格は1000万円。流通・小売やメーカーを中心に導入を進め、2030年度までに関連受注を含めて約20億円の売り上げを目指す。今後は個社専用のAIペルソナ環境の構築や、クチコミ分析サービス「Social Media Live」との連携を進め、生活者理解から施策の実行結果検証までを循環させるCX支援基盤への拡張を図る方針だ。