ガートナージャパンは2026年8月、国内企業がテクノロジによるワークプレース変革で重視する取り組みや人材教育の現状を明らかにする目的で実施した「従業員向けデジタル・スキル教育の現状」に関する調査結果を発表した。
実施時期は2026年4月。ワークプレース変革において重要な取り組みのトップは「デジタル/AIリテラシー教育の強化」が34.2%を占めた。次いで「従業員のモチベーション向上」が31.8%、「AIと共生する働き方や仕事の再設計」が31.3%と上位を占めている。
注目すべきは、過去の調査で常に上位に位置していた「テクノロジの積極的な活用」が9位へと大幅に順位を下げた点。単なるツールの導入や事務作業の効率化から、従業員のリテラシー向上やモチベーション維持といった「人」を中心とした取り組みへと、企業の関心が大きくシフトしていることが浮き彫りとなった。
ディレクターアナリストの針生恵理氏は、「今回の結果では、全般的にテクノロジ活用や事務作業の効率化などテクノロジに関連した項目よりも、『人』とAIに関連する取り組みがより重視されている傾向が伺えます。とくにAIを前提とした働き方が当たり前になる中で、従業員のデジタル/AIのリテラシーは将来の企業競争力を左右する重要な要素です。企業は従業員がAIを使って能力を発揮できるよう、デジタル/AIリテラシー教育を再設計・強化していくことが求められます」とコメントしている。
一方で、従業員向けのデジタル人材育成における課題も明確になっている。最も多かった回答は「本業が忙しくて学習に時間を割けない」が37.6%、「学んだ内容が実際の業務や仕事に結び付いていない」(25.7%)、「研修方法や学習の進め方が適切ではない」(23.1%)が続いた。
AIを活用した働き方が標準化する今後のビジネス環境において、従業員のデジタル・スキルは企業の競争力を大きく左右する。
同社は、組織のデジタル環境を担うリーダーに対し、自社の教育環境を根本から見直すよう提言。単なる知識の提供にとどまらず、従業員が学んだ内容を実践し、実際の業務に直結させられる環境を整備することが、今後の人材育成において極めて重要としている。。