不動産投資コンサルティングや不動産賃貸管理などを手掛けるTAPP(東京都港区、山地 学代表取締役社長)は、セールスフォース・ジャパンが提供する「Agentforce」を導入、AIエージェントによる問い合わせ数の削減を実現した。
セールスフォース・ジャパンは報道機関・アナリスト向けの発表会を開催、テーマは「中堅・中小企業(SMB)のAIエージェントによる変革とベストプラクティス」で、TAPPの事例も紹介された。
セールスフォース・ジャパン 常務執行役員 コマーシャル営業統括 グロースビジネス第2営業統括本部 統括本部長の西田晶子氏は、「中堅・中小企業は限られたリソースで成果を上げる必要がある」としつつ、「AIの導入は容易ではない。そもそも活用できるデータが不足していたり、予算の制約もあって新しい技術をなかなか取り込むことができない」と指摘。同社が提供する4レイヤーで構成された「エージェンティック・エンタープライズ・アーキテクチャー」について説明したうえで、「中堅中小企業やスタートアップが成長に合わせて拡張可能な統合プラットフォームで支援したい」と解説した。

「日本全体で見るとAI活用企業はまだ40%台にとどまっているが、スタートアップ企業は84%がすでにAIを活用。採用難においては、AIエージェントを1人の従業員として機能させることが中小企業やスタートアップにとって有効な戦略となる」(西田氏)
そのベストプラクティスとして紹介されたTAPPは、投資初心者層に対し、株式や保険、不動産などの資産形成を誰にでもわかりやすくご案内するセミナー「キャピタルハック」を運営。2025年までに累計申込数15万人を突破し、サービス拡大中だ。その成長を支えたのが「The Model」の徹底。カスタマージャーニーに基づき、マーケティング部(セミナー運営チーム)、インサイドセールス、フィールドセールス、CS(カスタマーサクセス)、事業推進/賃貸管理部門が統合された情報基盤(Salesforce)を活用している。

TAPPの執行役員 VP of Marketingの齋藤 喬氏は、「セミナー事業が拡大すればするほど、キャンセルや日程変更といった問い合わせも急増した。このままリードが拡大すれば、対応の質が下がり、顧客体験が低下するのではないか」と危惧を抱き、「Agentforce」の導入を決断した。
導入の成果について、齋藤氏は「問い合わせ数の削減、解決率の向上、次回の来場や商談といった事業促進の3つのKPIを設定し、そのすべてで一定の成果を挙げた」と説明。とくに解決率は90%を超えたとしている。

また同社マーケティング部の笠原祥太氏は、「お客様が最初に接するセミナー運営チームは、第一印象を決定づける重要なポジションなのに、そのリソースが不足している。マーケティングチームはリード獲得がミッションで集客を増やす。リソースがないのに集客が増えた結果、『施策が進まない』『新しい施策が走り出しても周知されていない』などの課題が浮上し組織が疲弊、あわせて顧客体験の質が低下した」と課題を振り返った。
Agentforceの実装によって、AIチャットが機能。問い合わせ対応が効率化されたと同時に、「プロジェクト推進を通じてデータ基盤が構築され、“データ文化”も定着した」(笠原氏)と大きな成果を得ている。

同社では今後、この機能をさらに進化させ、「顧客サポートエージェント」など、顧客体験向上に向けた取り組みを強化する方針だ。