コラム
第27回
日本における挨拶は「お辞儀」で始まり「お辞儀」で終わりますが、西洋では相手の目を見て直立し、緊張していることが友好の姿勢を示すとされているので、挨拶は「ハグ」や「握手」が主流になります。しかし相手を抱擁する「ハグ」はまだまだ日本人には馴染めない挨拶といえますので、外国の方々をお迎えするときのグローバルな挨拶方法はやはり「握手」といえます。握手は「あなたに対する敵意はありません」「手に武器を持っていません」ということを示し、お互いの絆・信頼を深めるという意味が含まれ、そこにもしっかりとしたマナーとルールがあります。
まず、握手は原則「右手」で行います。紙がとても貴重な一部の国では、トイレで用を足した後、トイレットペーパーを使うのは紙がもったいないので、バケツの中に水を入れて、左手をその水に濡らしてお尻を拭いて処理するところがあります。そういった国々では左手を「不浄の手」と言い、左手で握手をしようと差し出すと「相手を嫌う・嫌っている」という意味になってしまいます。たとえ左利きの人でも、握手をするときには右手でしましょう。
左手は「不浄の手」ですから、日本人がよくやるような両手で相手の手を握る握手はNGです。例えば芸能界の方が握手会で「私のファンになってください」とファンの方の手を両手で握るとき、政治家が「私に清き一票を!」と街頭演説で街の聴衆の方々の手を両手で握るときなど、何かお願いをしたいときの握手を「おねだりの握手」といいます。外国人とのグローバルな握手は、右手だけで行います。
日本人は、頭を下げてお辞儀をしながら握手をする人が多くいますが、そうすると、挨拶で最も大切な「アイコンタクト」ができません。握手をするときは頭を下げず、しっかりと相手の目を見て言葉を交わしながら握手をしましょう。
アメリカでは弱いホワーンとした握手を「Dead-Fish-Handshake」=「死んだ魚を握っているようで気持ち悪い」という意思表示とされてしまいます。相手の手を握るときは強過ぎず、弱過ぎず、ある程度の力を込めてしっかりと握りましょう。
日本の挨拶は目下から目上に、部下から上司に先にするのがマナーです。しかし、握手は相手の身体に触れる行為ですので、その行為をするかしないかを決めるのは上位者、年長者がすることになります。従って、欧米では、目上から目下へと手を差し出すのがスマートであり、プロトコール(外交儀礼)になります。
同様にレディファーストの文化である欧米では、その握手をするかどうかを決めるのは女性。女性側から手を差し出すまでは男性からは手を出さないのがルールになります。女性の方は、たとえ相手がご自身より年配の方であっても、エレガントに笑顔で手を差し出しましょう。
「挨拶」は「心を開いて相手に近づく」という意味であり、ビジネスマナーの基本です。仕事で外国人と接するときも、旅行で海外に行ったときも、親しみを込めたグローバルな握手をしていただきたいと思います。
