パナソニック エレクトリックワークス社
生成AIを利用したシステムを活用し、顧客の声(VOC)の入力から要約までを始めたパナソニック エレクトリックワークス社。導入決定から半年で運用を開始した。ハルシネーションといった課題にも、地道に取り組み、短期間で本格運用にこぎつけた。ACW(後処理時間)を半分以下、要約の出力精度は98%に達している。
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パナソニック エレクトリックワークス社は、電気設備資材事業や、照明事業を展開。法人顧客を中心とする問い合わせは、商品相談センターが対応する。運営はBPOベンダーに委託(インフラは自社オンサイト型)。問い合わせチャネルは、FAQ、電話、メール、チャット(有人、ボット)。
2022年4月に設立されたパナソニック エレクトリックワークス社は、電気設備資材事業や照明事業を手がける。建設関連会社が同社の商品を選定し、施工を行うため、商品相談センターを中心とするコールセンターへの問い合わせは、約70%を法人顧客が占める。
応対内容やVOC、顧客の属性などをオペレータがシステムに入力する。その記録をもとに分析を行っているが、入力される情報のクオリティにバラつきが生じていた。
そこで、その課題を解決すべく、VOCの要約に生成AIの活用を決定。パナソニックホールディングスが全体で利用しているAIアシスタントサービス「PX-AI」をベースに、2023年10月から開発に着手。開発は、関連会社のパナソニック インフォメーションシステムズが行った。
生成AIを使ったシステムの導入効果は、ACWが3分から1分30秒に短縮。要約の出力精度は98%、音声認識率は93%に達した。同社では、労働時間に換算すると年間2万5000時間に値し、生産性向上が大幅にアップしたと評価している。