戦略編
第5回
前回はエンゲージメントを高める「おせっかい」な対応の重要性について解説した。今回は、さらに一歩踏み込んで、「人にしかできない」コミュニケーションの磨き方を紹介する。AIや自動化が主流になりつつあるなか、人間的な温かみや共感が欠かせない。とくにデジタル化が進む今、パーソナライズされたアプローチが重要になっている。これによって顧客との絆をどう強化できるか検証する。
ビジョンやミッションといった想いや、顧客との向き合い方を掲げながらも、実際のコミュニケーションはその大義を実現するものになっておらず、一貫性のあるコミュニケーションとして落とし込めていないケースが多い。
こうしたケースはとくに、コンタクトセンターのポジションや考え方がビジネスプロセスで下流に位置づけられている場合によくみられる。コンタクトセンターは、ブランドの顔である。一番のブランドらしさを顧客に直接表現できる場所であるにもかかわらず、そもそも「ブランドとして顧客とどのように向き合いたいのか」をコンタクトセンター側へ伝えきれていない、もしくはコンタクトセンター側が理解できていないことが、上記のようなケースをもたらす要因の一つである。