2022年10月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

わたちゃん

<著者プロフィール>
職業:顧客経験価値にこだわる戦略立案&業務改革コンサルタント
過去勤めたことのある企業:日本ユニシス、日本IBM、日本テレネット
週末の過ごし方:
<ケース1>隅田川あたりをぶらぶら散歩して浅草で飲んだくれたあと銭湯で汗を流す
<ケース2>スポーツジムでヨガレッスンを受けて汗を流す
最近の悩み:昔は痩せの大食いだったのが、最近は小食の小太りになっていること

ビジネスにも役立つ?!
大ブーム「サウナ」の考察

ISラボ 代表 渡部弘毅

 15年ぐらい前からサウナには週1〜2回は入っていて、コロナ禍で夜、飲みにいく機会が少なくなった最近では週5〜6回入っている、“サウナー”のわたちゃんです。「人生の最期はサウナ出たあとの水風呂でプッツンして迎えたい」とカミサンに言ったら「この迷惑おやじ! 絶対引き取りにいかない!」と返されました。

 サウナブームです。サウナーの間で浸透しつつある「ととのう」は、サウナ→水風呂→休憩を数回、繰り返すことで訪れる快感、トランス状態のことです。この体験ができるサウナは、健康目的だけでなく、「令和の社交の場」としてビジネスでも活用されはじめています。

 とはいえ、サウナ効果は、まず体の健康です。発汗作用により老廃物が排出されます。また、血行促進による肉体疲労の回復、肩こりなどの改善、美肌効果、そして血圧改善です。ここまでならば、温泉効果と変わりありません。サウナの特徴的な効果は脳や心の健康です。サウナと水風呂を繰り返すことで脳に刺激を与えて、脳疲労が取れます。自律神経作用により睡眠の質の改善やストレス解消、認知症やうつ病予防にも効果的とされています。まさしく、心と体が「ととのう」ということです。

 ビジネスシーンにおいてサウナをパフォーマンス向上に役立てる組織や人も増えてきています。日経ビジネス2022年5月2日号の特集記事によると、サウナがビジネスパーソンに与える効能は次の5つと記されています。(1)仕事のオン/オフの切り替え、(2)判断力の向上、(3)心理的安全性の構築、(4)これらの効能に対する即効性、(5)ビジネスに活気を生むスパイスになり得る。

 私自身の経験では、アイデアや資料の取りまとめに悩んでいるとき、サウナと水風呂を繰り返していると、良い考えが浮かんでくることがあります。報告書は一度、仕上げた後に、2回ほどサウナで全体構成を考える機会を持つと、見直しポイントが汗とともに浮かんできた経験があります。これも脳を刺激することで生まれてくる効果に違いないと信じています。極限の暑さの中で刺激された脳から生まれたアイデアを水風呂で冷やしてブラッシュアップしていくといった感じでしょうか。

 また、人とのコミュニケーションもサウナに共に入ることで親近感が生まれます。裸同士で、立場や肩書を取り払って同じ環境で苦楽を共にすれば、距離感も縮まるに違いありません。まさしく、サウナは自分自身の心と体を「ととのう」だけでなく、人と人の関係を「ととのう」の効果もあるといえます。こうしたサウナの価値を武器に事業や街おこしで成功している事例も出てきています。

 ということで、僕のサウナ通いも、最近はもっぱら近所の風呂代わりのスポーツジムだけになっていますが、以前のようにサウナ付き銭湯巡りを再開したいと思います。家から遠い地の水風呂で人生最後の日を迎えた暁には、カミサンが迎えにきてくれない可能性は一層、高いのですが、新しい出会いと「ととのい」の機会を見つけたいのです。一緒に「ととのい」の旅に行ってくれる方を募集中です。

 

2024年01月31日 18時11分 公開

2022年09月20日 00時00分 更新

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