2019年1月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

わたちゃん

「顧客行動」と「顧客体験」を見える化しよう

ISラボ 代表 渡部弘毅

 レコーディングダイエットというのが効くらしいと聞いて、ジム通いのサウナ上がりに常に体重計に乗って確認してメモしている、わたちゃんです。しかし、効果がないのです。サウナ上がりのビールに問題があるのかもしれません。

 お客様に対する最適なカスタマー・エクスペリエンス施策の立案には、まずは顧客体験を見える化する必要があります。カスタマー・ジャーニー・マップの作成はその手法として多く活用されています。このマップでお客様の行動や体験を明らかにします。では、「顧客行動」と「顧客体験」はどこが違うのでしょうか?

 「顧客行動」とは、単純にお客様がどういう行動をしたかを示す言葉です。すなわち、「自社のサイトのこのページにいつアクセスした」「来店して商品を手にとって試着して購買した」「カスタマーサービスに使い勝手に関する問い合わせをして解決した」などの行動を把握し最近ではスマホを中心として企業とお客様が常時ネットで接続されている環境となり、最新のデジタル技術を駆使することで顧客行動を把握しやすくなり、ビッグデータとして蓄積・分析されるようになりました。

 一方で「顧客体験」とは、「顧客行動」に加えて企業の対応やそれに対するお客様の感情を含めたものです。従って「自社のサイトにアクセスしたが、うまく検索できず困った」「試着室で適切なアドバイスをしてもらい心地良かった」「カスタマーサービスで解決はしたが、オペレータが上から目線で嫌な思いをした」といった、お客様のポジティブ体験やネガティブ体験を把握する必要があります。

 最適な施策を立案するには、「顧客行動」の把握だけではダメということになります。行動を起こした結果、どんな体験をしたか。あるいは行動を起こす背景となる別の体験や感情を把握して適切な施策に結び付けます。ある商品説明のページビューが多いからといって、人気があるからアクセスしているのか、使い勝手がわからなくてアクセスしているのか。また、アクセスした際の説明が良くわからないので、何回もアクセスしているのか、といった顧客体験を把握して施策につなげていくことが重要です。

 そして「顧客行動」はデジタル化されて把握しやすくなりましたが、「顧客体験」はデジタル化したからといって簡単に入手はできません。アンケートで確認したり、顧客接点現場のスタッフの意見を聞いたうえで想定していくような、地道なワークも必要となります。このあたりも今後は、コールセンターの現場では感情認識技術やログ解析技術で顧客体験の把握が楽になることを期待したいものです。

 ということで、僕のレコーディングダイエットもただデジタル情報を確認するのではなく、「今日も運動はしないでサウナだけでダメな日だった」といった反省をこめて記録していくようにしたいと思います。まずは、サウナ上がりのビールをやめることが先決なのでしょうが、こればっかりは。。。

図 顧客行動と顧客体験の関係

図 顧客行動と顧客体験の関係