2018年7月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

わたちゃん

ロイヤルカスタマーを作る「FAQ」とは

ISラボ 代表 渡部弘毅

 「年末にしか登場しないケルヒャーの置き場所はどこ?」「粗大ごみの出し方はどうすればいいの?」。いつも聞いてしまい、「頭、悪いんじゃないの?」とつっこまれている、わたちゃんです。

 カスタマーサポート業務におけるFAQ(よくある質問回答集)の充実が重要であることは周知の事実です。とくにオンラインショッピングなど、デジタルコミュニケーション化に拍車がかかり、操作している最中で操作や商品に関する疑問が生じた時に、すぐにFAQにアクセスして疑問を解消できることは、受注率を促進させるためには非常に有効です。また、お客様自身がセルフアクセスで疑問を解決してくれる手段を充実させることは、コンタクトセンターへの問い合わせの数を減らすというコスト効率化にもつながります。

 しかしながら、FAQの充実の必要性は、総論では分かっていながら構築にあまり投資できず、また構築されたとしてもFAQの効果が本当にあるのかどうかを確信持てなくて、メンテナンスに十分手がかけられないケースも多く見られます。

 そのような企業に有効なのは、顧客満足度やロイヤルティ調査の際にFAQに関しての設問を設けて、閲覧の有無、FAQの満足度と企業全体のロイヤルティの相関関係を分析することをおススメします。図は、私がよく実施するロイヤルティアンケートの小売業での実例です。この分析結果からわかるように、FAQを閲覧したお客様は閲覧していないお客様よりブランドに対するロイヤルティ(NPS:ネット・プロモーター・スコア)が高く、なかでも満足度が高いお客様は圧倒的にロイヤルティが高いことが分かります。ただし、お客様全体の中で33%しかFAQを閲覧していないことも分かりました。

 この分析結果から判断できることは、分かりやすいFAQの構築はロイヤルティ向上のために重要な施策であることと、同時にFAQへのアクセスを増やす施策が重要であることです。そしてアクセサビリティを向上させるためのチャットやLINEユーザーインタフェースの実現、チャットボットによって正答率を向上させるとともに、アクセス数の増大を効率よく運用できるためのインフラ投資がロイヤルティ向上に寄与できることがアンケート結果から立証できます。FAQやチャットボット投資に二の足を踏むカスタマーセンターはこうしたアプローチをしてみてはいかがでしょうか。

 ということで、家に帰って早速カミサンに「我が家も家事に関するFAQをリストアップしてペーパー化しておくのはどうだろうか?」と提案してみました。ところが、「そんなもん作っても、今度はそのペーパーがどこにあるんだ?と聞いてくるはず!! 結局、覚える気の問題なのよ!!」と一蹴。僕の家事に対するロイヤルティはなかなか向上しない日が続きそうです。

図 FAQの閲覧有無、満足度、ロイヤルティの関係

図 FAQの閲覧有無、満足度、ロイヤルティの関係