【トレンド】クラウド型コンタクトセンタープラットフォーム

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[トレンド]クラウド型コンタクトセンタープラットフォーム

26社31製品にみる「価格」と「価値」
最大の選定ポイントは“将来像”

クラウド型コンタクトセンタープラットフォームは、もはや“中小規模センター向け”のソリューションではない。大手金融機関やそれらをクライアントに持つテレマーケティング会社などが積極的に採用、今や主流を形成しつつある。26社31製品の対応チャネルや提供機能から、選定のポイントを検証する。

クラウド型コンタクトセンタープラットフォーム

標準機能として、社内の電話ネットワークにコールを接続する「PBX(構内電話交換機)」、あらかじめ設定してルールに従ってコールをオペレータに振り分ける「ACD(自動コール分配機能)」、電話と顧客情報システムを接続する「CTI」、マネジメントするためのデータを収集する「レポーティング」を有し、クラウド上で機能を提供するものを指す。

 「初期導入費の抑制」「導入期間の短縮」「柔軟性/拡張性」「保守体制が不要」。これらは、オンプレミスシステム(以下オンプレミス)と比較した際のクラウドサービスの導入メリットとして挙げられる。

 顧客接点のトレンドの変化の激しさを背景に、コンタクトセンタープラットフォームの新規導入やリプレースにおいても、クラウドのメリットに着目し、検討する企業が増えている。「コールセンター白書2018」(コールセンタージャパン編集部・編)のセンター運営企業を対象に実施した実態調査(アンケート)でも、「採用・検討したクラウドソリューション」の設問に対し、回答企業の57.6%が「PBXやCTIなど基盤システムの機能」と回答している()。これまで情報セキュリティの観点から、やや消極的な姿勢だった銀行や証券会社などの金融大手の大規模センターでも採用が進んでいるようだ。

図 採用・検討したクラウドソリューション(複数回答あり)

図 採用・検討したクラウドソリューション(複数回答あり)

出典:「コールセンター白書2018」

数千円から数万円 料金に見合う価値の訴求

 主要各社が提供するクラウド型コンタクトセンタープラットフォームを表にまとめた。

 なお、表は、2018年11月15日、16日に開催する「コールセンター/CRMデモ&コンファレンス」の出展企業を対象にアンケートを実施、回答に基づいて編集・作成した。

 利用料金は、席数ベースで“数千円から数万円”とかなり幅広く、対応チャネルや提供機能も異なる。ひところ過熱ぎみだった価格競争は落ち着き、「利用料金に見合う“価値”の提供」へと競争軸が変化していると考えられる。自社が実現したいカスタマーサポートとのミスマッチを起こさないよう、将来性も含めた検討が必要だ。

 選定の重要なポイントは、(1)対応チャネル、(2)ACD機能、(3)アウトバウンド、(4)対応回線、(5)レポーティングの5つ。

 (1)対応チャネルは、オムニチャネル化など、将来的な拡充の可能性も含めて精査すべきだ。なお、「電話(音声通話)」に特化したサービスでも、パートナー製品との連携で補完できることが多いが、データのリアルタイム共有による応対時のメリットを考えると、1つのインタフェースで完結できることを視野に入れた方がよさそうだ。

 (2)ACD機能は、センターの規模や業務の数(スキルセット数)によって適するルーティング手法が異なるため、やはり将来的な規模拡張を見据えて計画すべきだ。一般的にオペレータの人数が多く、スキルセット数が多岐にわたる場合は、スキルに優先順位を設定できるスキルベース・ルーティングが求められる。さらに、製品やサービスを継続的に利用しているロイヤル顧客を優先着信させるには、データベース・ルーティングが必要だ。一方、単一業務のセンターであれば、待機時間の長いオペレータに順番に接続する「待機時間優先(ロンゲスト・ウエイト)」があれば十分に対応といえる。さらに、これらのルーティングを電話以外のチャネルに適用する「マルチチャネルACD」を訴求するベンダーもある。

 (3)アウトバウンドは、従来のテレマーケティング業務で大量発信が求められる場合は、業務効率の観点からプログレッシブ・ダイヤラーあるいはプレディクティブ・ダイヤラーを要件とすべきだ。フォローコールなど、ロイヤルティ醸成を目的とする場合は、プレビュー(クリック・トゥ・コール)で、1人ずつ架電できれば十分だ。

 (4)対応回線は、リプレースの場合に最も重視すべきポイントだ。既存の回線に対応していない場合、追加開発またはキャリア(電話番号)の変更リスクが伴う。

 (5)レポーティングは、各社とも提供しているため、表には掲載していないが、放棄呼の発生件数やオペレータ別のコール処理件数など、「センターの状態」を可視化し、KPIマネジメントを実施するうえで欠かせない。サービスによって収集できるデータや統計情報、あるいはKPIの定義が異なることも多いため、詳細は確認が不可欠だ。カスタマイズでどこまでカバーできるのか、ベンダーとの慎重な協議を要する。

顧客との関係を守る 音声とセキュリティ

 このほか、選定に占めるウエイトは低くなったものの、「信頼性」も判断機軸の1つに挙げられる。これは、主に「音声」「セキュリティ」に対するもの。音声は、ネットワーク環境に依存して遅延や途切れを抑制する対策が講じられているかを確認すべきだ。例えば、高品質VoIP技術を利用した音声信号処理ソフトウエアライブラリを用意しているベンダーもある。セキュリティについては、グローバルレベルでの情報セキュリティの厳格化による影響が大きい。自社のプライバシーポリシーと照合し、PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)や、クラウド提供事業者としてプライバシーマークなど公的な認証取得の有無を確認したい。

 これらの要素を踏まえて選定したサービスは、顧客との関係を築くための強固な基盤となるはずだ。

主要製品一覧

「○」は標準で提供、「△」はオプションで提供可、「─」は提供なし
ACDのファーストイン・ファーストアウトは、アウトバウンド特化型を除くすべてのシステムで適用できるため、基本的に表に記載しない

主要製品一覧-1

主要製品一覧-2

主要製品一覧-3

主要製品一覧のPDFはこちら

この記事は月刊「コールセンタージャパン」2018年11月号に掲載されました。
掲載内容は発行当時のもので、変更されている場合がありますことをご了承ください。


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