【トレンド】 CRMパッケージ

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[トレンド]CRMパッケージ

迷わない! 疲れない! 使いやすい!!
長時間利用ゆえの「UI」へのこだわり

オペレータが長時間にわたって利用するCRMシステムは、“使い勝手”が重要なファクターだ。ベンダー各社もこの点を強く意識しており、オペレータが疲弊しない操作性への工夫や、業務にあわせた柔軟なカスタマイズ性、AIをはじめとした先進技術による応対サポートなど、「UI(ユーザー・インタフェース)」の強化に努めている。

 オペレータは、日々多くの顧客からの問い合わせに対応している。人手不足の現在、いかに1件あたりの生産性を高め、業務効率化を図るかは、重要な取り組みだ。また「CSはESから」と言われるように、オペレータのストレス軽減は、顧客満足にも関わる問題である。

 この2つの課題を解消する手段が、CRMシステムの「UI」、すなわち“使い勝手”だ。長時間にわたり使い続けるからこそ、操作しやすさが重要になる。ベンダー各社のCRMシステムを“操作性”の観点から検証する。

人間工学や現場要望を軸に
オペレータの操作性を極限追求

 テクマトリックスのCRMソリューション「FastHelp5」は、約20年にわたり積み重ねてきた経験・ノウハウ・技術がつぎ込まれ、操作性・機能性・俊敏性・柔軟性・拡張性の5つにこだわって開発された。なかでも操作性は、直感的で使いやすいUIを追求。長時間利用しても疲れない、目にやさしいデザインと使い勝手を実現している。さらにオムニチャネル対応機能が装備され、各チャネルに最適なUIを提供しているのも強みだ。

 具体的にはWebデザイナーの監修のもと人間工学に基づいた配色・フォントサイズを追求。カラーユニバーサルデザインを採用し、たとえ色弱でも視認しやすい画面構成にしている。またその日の気分にあわせて、3つのテーマからカラーバリエーションを選択できるなど、“楽しさ”も演出している。

 こだわりは見た目だけではない。オペレータの思考を妨げず、スムーズに操作できるよう、使いやすさを追求している。

 基本的な操作は画面の左から右へ流れるように設計。電話受付・内容確認・回答支援・後処理の一連の作業で、その時々に必要な情報を絞り込んで表示し、オペレータの思考や操作を妨げないようにしている。さらに、項目入力や機能選択においては、一般的なアプリケーションのように多数のボタンをブラウザ上部に並べるのではなく、その時々で有効なボタンをすぐ使える位置にまとめて表示する。迷わせない、マウスの移動距離を極力短くするための工夫だ。

図1 「FastHelp5」では3つのテーマから配色を選べる

図1 「FastHelp5」では3つのテーマから配色を選べる

 OKIソフトウェアの「enjoy.CRM III」は、CRM基盤「Microsoft Dynamics CRM」をベースに、同社が長年培ってきた経験・ノウハウを活かし、コールセンターでのオペレータの使い勝手や操作性を追求した。開発コンセプトは「会話に専念できる」こと。現在、顧客経験価値(CX)の追求を目指す企業は多いが、この実現にはオペレータ側にある程度の“余裕”が必要だ。システム操作に気を取られず顧客と対話できることが開発思想の根底にある。

 特徴は、オペレータの顧客対応業務に特化した専用画面「コールパレット」の搭載だ。人間工学に基づいた配色、配置、動作を徹底的に検証し、オペレータがストレスなく電話応対できる工夫を随所に凝らしている。具体的には、(1)待機、(2)顧客特定、(3)傾聴、(4)回答、(5)アフターワーク──の一連の流れに従って、必要な時に必要な情報だけをスライドイン/ズームアップで表示させる。

 例えば、問い合わせに回答する段階では、もはや顧客の属性情報は不要だ。そこで属性情報に被さるようにFAQ画面を表示する。一画面に大量の情報を詰め込んだり、手動でのタブ切り替えが発生することがないため、スムーズな応対を実現できるとしている。

図2 「enjoy.CRM III」はコールパレットでオペレータ業務を支援

図2 「enjoy.CRM III」はコールパレットでオペレータ業務を支援

 バーチャレクス・コンサルティングは、システムベンダーとアウトソーサー、さらにコンサルティングの3つの側面を持つ。同社の「inspirX(インスピーリ)」は、自社のコールセンター運営現場で蓄積したノウハウはもちろん、そこから上がるリアルな課題や要望を反映し、常に進化を続けている。2017年上旬リリースした最新版「inspirX 5.2」は、LINE連携や外部システム連携の強化などを実現。より高度な業務にも対応できるようになった。

 現場での使い勝手には強いこだわりがある。自社で使い込んでユーザビリティを検証。受付から完了までの操作が1画面内で収まる、マウスの移動距離を最短にするなど、徹底的に操作性を追求している。“現場を知るからこそ”の発想で生まれた機能も多い。その代表例が「さっきの案件」だ。

 コールセンターでは、同じ内容の案件が一時期に大量に発生することがある。例えば通販業務で同じ商品の注文が殺到するケースだ。するとオペレータは同じ作業を何度も繰り返さねばならない。こうした場合に「さっきの案件」を呼び出し重複する部分を再利用すれば、入力作業を軽減できる。

 この他、重要顧客に注意喚起を促す「アテンション機能」、管理者から一斉同報で呼びかける「メガホン機能」など、“現場が欲しい”機能を多数備える。生産性の向上やミスの軽減などにつなげられる。

図3 「inspirX」の業務支援機能「さっきの案件」の画面例

図3 「inspirX」の業務支援機能「さっきの案件」の画面例

パッケージにあわせない
柔軟なカスタマイズ性を提供

 パッケージ利用は「仕様に利用者が合わせる」というイメージが先行し、敬遠されがちだ。しかし、柔軟なカスタマイズ性や多数のテンプレートで、企業の業務にあわせることが可能な製品も多い。

 MITシステム研究所の「QuickCRM」は、業務にあわせて、ノンプログラミングで画面レイアウトからデータベースまで柔軟にカスタマイズできるのが特徴。現場レベルで開発でき、オペレータが実際に触って使い勝手を確認しながら仕様を決める、アジャイル方式で作成可能だ。納得いくまで操作性を追求することができる。

 2016年7月にリリースした最新版はクラウド/オンプレミスの両方に対応。利用規模・形態に応じて「Office」(数席のシンプルな受付業務)、「Standard」(標準的なコールセンター機能を網羅)、「Advance」(複雑な業務処理を含む高度な制御機能)の3つのエディションから選択できる。

 豊富なテンプレートも特徴だ。「業務テンプレート」は、通販、カスタマーサポート、お客様相談室など、業務ごとに標準機能を備えた画面サンプルを用意し、これをベースにカスタマイズできる。「ゼロから画面作成するのは難しい」という企業にも利用しやすい。さらに「業種テンプレート」も揃える。例えば「レストラン」「病院予約」など、特定業種に特化したサンプルを用意し、導入後すぐに使えるようにする。業種のラインナップは今後も追加予定だ。

図4 「QuickCRM」の業務テンプレートの例

図4 「QuickCRM」の業務テンプレートの例

 オー・エイ・エスの「デコールCC.CRM3」は、利便性を追求したUIデザインを備え、オペレータは直感的にストレスなく操作できるようこだわっている。また業務にあわせたカスタマイズ性を重視。高度なセルフカスタマイズ機能により、画面設計・帳票設計・入力設計・自動計算などを自由に追加・変更できるのが特徴だ。

 同社は「コールセンターが元気になる」をコンセプトに、いかにセンター内のコミュニケーションを促し、ストレスを軽減させて、生産性向上や離職防止につなげるかにこだわっている。そこで新たに搭載したのが、感情見える化ツール「ごきげんカウンター」だ。

 同ツールは、オペレータの感情推移を一覧で管理するもの。応対直後や1時間ごとなど、任意条件でPC画面にウインドウをポップアップし“嬉しい”“悲しい”などの「感情アイコン」の選択を促す。

 オペレータは顧客との対話が業務時間の大半を占めており、上司や同僚と会話する機会が少ない。クレームを受けて“つらい”ときでも相談できずに一人でストレスを溜め込み、離職につながるケースは少なくない。そこで上司は、ごきげんカウンターを見て、“つらい”アイコンがたくさん並んだ人を優先的にフォローする。これはコミュニケーションのきっかけを作るためのツールといえる。

図5 「デコールCC.CRM3」と「ごきげんカウンター」を連動

図5 「デコールCC.CRM3」と「ごきげんカウンター」を連動

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 ベリントシステムズジャパンの「カスタマーエンゲージメント最適化ソリューション」に搭載された「エンゲージメント管理機能」は、オムニチャネルでのオペレータ業務をサポートする。

 CRMのみならず、業務アプリケーション、メール/チャットなどのデジタルチャネル、FAQ、WFM、通録再生、トークスクリプトなど、オペレータが業務遂行に必要な機能をすべて統合して提供、品質・生産性・正確性の向上を支援する。また柔軟なカスタマイズ性とグローバルでの導入実績に基づき、さまざまな業界ごとに適合したオペレーション画面を構築可能。各業界でよく利用される業務アプリと連携するインタフェースもあわせて提供している。

 さらに、顧客の属性情報、応対履歴、固有情報(所有製品・契約内容など)、その日のパーソナル情報(誕生日・記念日など)をあわせて提供することで、顧客を“個客”として応対でき、関係向上させていくことが可能だ。

図6 「ベリント カスタマーエンゲージメント最適化ソリューション」の「エンゲージメント管理機能」(英語版)

FAQ検索、対応策のサジェスト
AIで“ベストアンサー”支援

 問い合わせ対応で大きな課題である“保留”を削減する機能もある。

 オラクルの「Oracle Service Cloud」は、文字通りクラウドベースのカスタマーサービスを支援するアプリケーション。UIは一般的なオフィス向けソフトに寄せてデザインされており、初めて触れる人でも直感的に操作できる。オムニチャネル対応で、LINE連携なども実現している。

 カスタマイズ性を重視し、業務内容にあわせて柔軟に画面設計できる。ワークフロー設計では、「この案件なら、○○を確認する」などの条件設定を行える。これによりミス防止を図れる。

 外部システムとの連携も容易だ。クラウドゆえに顧客情報を外に置きたくないといった場合でも、社内システムと連携して顧客DBなどを呼び出せる。セキュアな環境で顧客情報を扱えるため、業務の幅を拡げることができる。

 最大の特徴は、人工知能(AI)を搭載した強力なナレッジベース(FAQ)だ。各コンテンツはユーザー行動に基づいて“Weight”(役立度)が学習・自動計算される仕組みで、検索の際に回答候補として有効性が高いものほど優先表示される。常に有効性が高い順にFAQを引き当てるため、迅速かつ正確な対応を実現できる。

 セールスフォース・ドットコムのカスタマーサービス向け製品「Service Cloud」は、カスタマーサポートの基盤として多様なチャネルに対応している。電話・メールは当然ながら、Web、チャット、ビデオ、FAQ/コミュニティ、SNS、メッセンジャー・アプリなどオムニチャネルに対応。現在注目されるIoTも取り込み、例えば製品で何らかのトラブルが発生すれば、コールセンター側で情報がポップアップする。

 オペレータは、これらのチャネルから入る問い合わせや自動通知を1つのコンソール画面で一元管理できる。UIについては、世界15万社のユーザーからの要望に基づいて随時改良が加えられる。年3回のバージョンアップで誰もが最新機能を利用できる。

 顧客対応にはナレッジベース(FAQ)で支援。定型業務についてはマクロなどによる自動処理も可能だ。独自AI「Einstein」は、問い合わせ内容と蓄積された応対履歴から「こんな応対が適切です」と対応策をサジェストしたり、対応完了までの予測時間を通知するなどで応対支援。これは2017年秋のサービス開始を予定している。

図7 「Service Cloud」が提供するカスタマーサポート基盤の概要

図7 「Service Cloud」が提供するカスタマーサポート基盤の概要

リーズンごとに“ToDO提示”
オペレータをシステムで誘導

 富士通の「CRMate/コールセンタープロ」は、オンプレミス型で多様なコールセンター業務に対応。とくに一度の電話で完了せず、複数の業務プロセスを経るような複雑な案件管理に強みを発揮する。

 例えば、保険会社の契約変更手続きなどは、「案件受付→書類送付→書類戻り確認→変更手続き」といったプロセスを辿る。場合によっては営業や代理店など他部署と連携する場合もある。こうした案件はインシデントを発行し、各プロセスを順次こなしながら、手続きを進めることになる。

 特徴は“やるべきこと”を管理する点だ。従来のCRMシステムが、各プロセスを“終えたこと”を管理していたのとは対称的。具体的には、受付案件(コールリーズン)ごとに必要な業務プロセスをシステムが提示し、オペレータはそれに従って処理を行う。次に何をすべきか迷ったり、手順を間違えるようなミスは起こらない。何より、案件ごとの業務プロセスを憶える必要がないため、教育コストの削減にもつなげられる。

 導入に際しては、コールリーズンを分析して全業務を洗い出し、必要なプロセスと内容を精査してシステムに登録する。これにより、オペレータ画面にはインシデントごとの「アクションリスト」(業務プロセス)と、それぞれ具体的にどうするかの「アクションプラン」が表示されるようになる。

 将来的には、各業務プロセスのなかで定型化できる部分をチャットボットやRPA(Robotic Process Automation)で自動化。応対品質を落とすことなく少数精鋭で運用できるセンターも実現可能だ。

図8 「CRMate/コールセンタープロ」の受付画面イメージ

図8 「CRMate/コールセンタープロ」の受付画面イメージ

※本画面は開発段階のものであり、予告なく改修が行われる可能性があります
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