ジャグプロジェクト(東京都江東区、Jag Yamamoto代表)は2026年10月30日、生成AIの誤回答を抑える仕組み『Jag ウラドリ System』の提供対象を、旅行以外の分野の事業者・団体に広げた。既存のチャットボットや業務用生成AIはそのまま使い、AIが回答時に参照する資料と回答ルールを点検する。

同システムは、自社の旅行緊急時向けAI『トラベルAIレスキュー』で構築した6つの手順で構成する。報道で発信前に別資料で事実を確かめる「裏取り」の考え方を、AIの回答の前後に組み込んだ。番号や住所、窓口など地域・機関に固有の事実は確認済みの資料にあるものだけを答え、回答内の番号や場所を資料と機械的に照合する。回答したAIとは別の事業者が開発したAIが内容を読み、見落としや言い過ぎを指摘する工程も置く。資料にない事柄には「確かめられない」と答え、問い合わせ先と聞くべき内容を添える。運用開始後も同じ設問を定期的に回答させ、基準と比べて品質を確認する。
ジャグプロジェクトは、この仕組みが旅行以外の分野でも機能するかを確かめるため、防災分野で検証を実施。具体的には、東京都江東区と江戸川区に関する避難所や給水、罹災証明書の申請などの相談30問を用意し、同じAIで仕組みの適用前後の回答を比べた。その結果、公的情報と食い違った回答は16問から0問に減った。江東区の24問では、回答に含まれる要点の割合が51.4%から93.8%に上昇。参照資料のない江戸川区の6問では要点の割合が9.7%にとどまったが、全問で確認先の窓口を案内した。
同システムは、仕組みの提供、参照資料の整備と週ごとの更新点検、誤回答の診断、分野別アプリの4つの形態で提供する。入口となる診断では、既存のAIに手を加えずに約2週間かけて回答を測り、公的情報との食い違いの一覧や要点の網羅率、改善策をまとめて報告する。デジタル庁の調達ガイドラインの項目に沿った検証設計書の作成にも対応する。価格は個別に相談を受ける。