コラム
第41回
前号では、他社を訪問する際の配慮についてお伝えしましたが、そのお客様をお迎えする際の心づかいも新任教育で指導すべき大切なポイントです。来社された方に心地よく過ごしていただけるよう、今回から3回にわたり「受付での対応」「会議室までの案内」「お茶出しの基本」をご紹介します。
お客様を迎えたときは、担当者や受付係でなくても、気づいた人がすぐに立ち上がり、笑顔とアイコンタクト、明るい声の「笑声」でお迎えすることが大切です。来社される方には、日頃から取り引きのある方、初めて訪れる方、アポイントメントのある方、ない方など、さまざまなケースがあります。その場に応じた臨機応変な対応を心がけましょう。
受付がない場合は、まず「おはようございます」「こんにちは」「いらっしゃいませ」などと声をかけ、会社名やお名前、誰との約束なのかを確認します。「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか」「恐れ入りますが、お約束はございますか」など、相手に失礼のない表現を選びます。
ここで気をつけたいのが「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか」という表現です。名前は「もらう」ものではなく「尋ねる」ものなので、その謙譲語である「伺う」を使うのが正しいです。「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」「お名前をお聞かせいただけますか」などと適切な表現で確認しましょう。
また、「アポはございますか」という省略形で表現するのも、受付での言葉としては避けたいものです。「アポイントメントはございますか」よりも、「失礼ですが、お約束はございますか」と尋ねるほうが、ずっと自然で誠実な印象が伝わります。
お客様の社名と名前を聞き、事前に約束のあるお客様だった場合は、まず「△△会社の○○様でいらっしゃいますね。お待ちいたしておりました」「お暑い中お越しいただき、ありがとうございます」と歓迎の気持ちを込めて挨拶をし、そのうえで「すぐご案内いたしますので、少々お待ちください」とお客様に断りをいれてから担当者に取り次ぎます。
アポイントメントがないお客様がいらしても、担当者に確認することなく、自分の判断で面会をお断りしてはいけません。頻繁にあることではありませんが、取引先の方が予定なく訪問されることもありますから、「ただいま確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか」とお伝えし、担当者に来客応対するかどうかを確認しましょう。
受付での応対は、その会社の第一印象を決める大切な場面です。お客様が「この会社に来てよかった」と感じてくださるよう、言葉遣いだけでなく、表情、声、立居振舞の一つひとつに心を配りたいものです。
マニュアル通りにふるまうだけでは足りません。なぜなら、マナーは、決められた言葉を正しく使うだけではありません。相手の立場を想像し、心地よく過ごしていただくことも大切な「おもてなし」です。
