OKI(東京都港区、森 孝廣代表取締役社長執行役員 CEO)は、コンタクトセンターシステム『CTstageシリーズ』の新商品を発表した。
冒頭は、「OKIのコミュニケーション事業と顧客接点改革」と題して、コンポーネントプロダクツ事業部 副事業部長 山本高広氏が、同社のコミュニケーション事業におけるコンタクトセンター事業の位置づけを説明した。

創業150周年を迎える2031年を見据えた「OKIグループ新経営計画 2031」で、注力領域のひとつとして掲げる情報通信セグメントのビジネスコミュニケーション領域を支える事業として、コンタクトセンター事業を展開。主力製品の『CTstage』は1996年に発売し、顧客の声を取り入れながら機能を拡充、現在はオンプレミス型の『CTstage 7DX』とクラウド型の『CTstage Cloud』を展開している。山本氏は、「新商品は、発売30周年という節目となる2026年に、AI機能を搭載し、顧客接点改革という新しい付加価値を加えるもの」と強調。データ連携の統合基盤とハイブリッドAIの組み合わせによって、「寄り添うコンタクトセンター」を実現していく方向性を示した。
その新商品が、『CTstage AIコンシェルジュ(以下AIコンシェルジュ)』だ。AIを活用した顧客接点改革の中核に位置づけ、問い合わせの自己解決から、必要に応じたオペレータへの接続、応対で得られた情報の活用までを一貫して支援する。コンセプトと特徴は、コンポーネントプロダクツ事業部 IoT統括部 シニアプロフェッショナルの大槻重雄氏が発表した。
大槻氏は、「エージェントは“代理人”という意味合いが強い。われわれが目指すのは、お客様に最適なホスピタリティを提供する案内人、相談役としての振る舞い」と説明。単純な業務代行ではなく、顧客の状況に応じて自己解決や有人対応へ案内する役割を重視したことから、「AIコンシェルジュ」と名付けたとことを明かした。
顧客を待たせずに問い合わせを受け止める「つながる」、要望の本質を理解して最適な解決手段へ導く「つなげる」、応対から得られた情報を次の業務や顧客接点へ活用する「ひろげる」の3つの軸をコンセプトとしている。
特徴は、「ハイブリッドAI」「運用管理の容易性」「有人対応へのエスカレーション」の3点だ。
ハイブリッドAIは、生成AIによる柔軟な対話と、シナリオ型システムの管理性を組み合わせる考え方。問い合わせ業務を複数のステップに分解し、それぞれのステップでAIが参照する情報や応答ルールを設定できるため、企業が定めた業務フローから逸脱しにくく、ハルシネーションの抑制にもつながる。
運用管理の容易性は、「業務スキル」で管理できることを重視した設計により担保した。業務担当者が持つルールやノウハウを「AI活用情報」としてステップごとに設定できるため、業務変更に応じたメンテナンスを現場側で行いやすい。さらに、AIと顧客とのやり取りはログとして蓄積し、応対内容の要約や回答時に参照したFAQなどの根拠情報も保存する。これらは、ナレッジ改善や応対品質の標準化、オペレータの後処理負荷の軽減などにも活用できるとしている。
有人対応への切り替えは、AIが状況に応じて判断した際に自動で転送することが可能。提示した情報で問題解決できなかった場合に加え、顧客が「人と話したい」と求めた場合や、会話から不満や怒りなどの感情を検知し、あらかじめ設定した基準値を超えた場合に転送できる。
導入時に、AIコンシェルジュが参照する情報となるFAQやナレッジの量が十分でない企業については、まず問い合わせの振り分けなどからAI活用を開始し、応対データやナレッジの蓄積に合わせて自動対応の範囲を広げる運用を想定しているという。「スタート時点で運用を固定するのではなく、スタートしてから成長させていくことができる」(大槻氏)。
価格は個別見積もりで、ライセンス数や回線数、従量課金などの組み合わせによって変動する。2029年度までの3年間で100セットの販売を目指す。
同社は、AIコンシェルジュを軸に、ソリューションパートナーとの連携を広げる「コンソーシアム構想」も示した。セキュリティや顧客管理、IT、コミュニケーションなどの関連ソリューションとの連携を進め、顧客企業が業務に合わせてAIを活用できる環境を整備する。今後は、こうしたパートナーとの協業に加え、WebRTC対応を含むチャネル拡張や運用管理機能の強化、コンタクトセンターで蓄積した応対データの社内業務への活用も進める方針だ。