東北電力(宮城県仙台市、石山一弘代表取締役社長 社長執行役員)は、カスタマーセンターの電話受付に、生成AIを用いた対話型の音声応対サービス『よりそうAIボイスボット』を導入し、運用を開始した。第1弾として、各種支払い方法変更申込書の取り寄せ手続きを対象とする。
同社は東北6県と新潟県を中心に、低圧の電力契約で600万口以上の顧客基盤を持つ。カスタマーセンターには契約の開始・終了やアンペア変更といった手続きが寄せられ、年間の入電量は約170万件に達する。とくに3〜4月の引越し時期や冬季には問い合わせが集中し、電話がつながりにくくなる時間帯が生じるなど、応答率の向上が課題となっていた。

導入したサービスは、RightTouch(東京都品川区、野村修平・長崎大都代表取締役)の音声AIオペレータ『QANT スピーク』を基盤とする。自由発話の音声認識と大規模言語モデル(LLM)を組み合わせ、電気契約に関する専門用語を含む問い合わせでも発話者の意図を特定する。利用者は着信時に本サービスを選ぶことで、口座振替やクレジットカード払いの申込書の郵送を音声対話で進められる。
個人情報を多く扱うインフラ事業者の要件に対応するため、音声認識から意図理解、応答生成までの処理を国内リージョン内で完結する設計とした。運用面では、ノーコードの操作画面と応対ログを用いた自動テスト機能を備え、現場担当者がデータに基づき品質改善を続けられる。
東北電力は今後、契約の開始・終了やアンペア変更へ対象業務を広げるとともに、応答の精度向上を図る。Web、音声応対、オペレータによる対応を組み合わせ、手続きの利便性向上を通じたCX(顧客体験)の改善を進める方針だ。