ジェネシスクラウドサービスは6月11日、「ジェネシスクラウド メディアラウンドテーブル 2026」を開催した。テーマは「Genesys Cloud 10周年の歩みとAgentic AIが切り拓く次世代CX戦略」。Genesys Cloudの歩みとAI戦略を説明するとともに、次世代の顧客体験を支える新製品「Genesys Cloud Agentic Virtual Agent(AVA)」を披露した。

冒頭に登壇した代表取締役社長のポール・伊藤・リッチー氏は、日本市場におけるGenesys Cloudの成長を説明した。国内では2016年3月に東京リージョンでサービスを開始し、同年4月に最初のユーザー契約を獲得。2026年4月時点で、日本における累計会話数は30億件を超え、月間の自動要約数は70万件以上に達している。

続いて登壇したGenesys Cloud General Manager, Product ManagementのMike Szilagyi氏は、グローバルでの成長と今後の製品戦略を説明した。Genesys Cloudの全世界の顧客数は7000社を超え、ARRは28億ドル規模に拡大している。同氏は、CXの競争軸が「効率化」から「顧客理解と解決」へ移ると指摘。その実現に向け、チャネル、データ、業務、AIを横断して顧客体験を設計・実行する「Experience Orchestration」の重要性を強調した。
今回の製品面での焦点となったのが、AVAである。従来のチャットボットやバーチャルエージェントが、あらかじめ定義されたシナリオや会話フローに従うものだったのに対し、AVAはLarge Language Model(LLM:大規模言語モデル)に加え、Large Action Model(LAM:大規模アクションモデル)を活用する。顧客の意図や目的、文脈を理解するだけでなく、複数システムを横断して必要なアクションを計画・実行し、成果に向けて自律的に動くことを目指す。
デモンストレーションでは、AVAが問い合わせへの回答にとどまらず、顧客の目的達成に必要な情報を判断し、会話を柔軟に進める様子が示された。ジェネシスが示したのは、コンタクトセンター基盤を「応答を支える仕組み」から、顧客の意図を理解し、業務プロセスを横断して解決まで導く「実行基盤」へ進化させる構想だ。同社はAVAを、Agentic AI時代のCX基盤を象徴する製品として位置づけた。