阪急電鉄(大阪市北区、嶋田泰夫代表取締役社長)は、関西圏の鉄道網を支える「交通ご案内センター」のシステム基盤を刷新した。オンプレミス環境からクラウドへ移行するとともに、生成AIを活用した応対履歴の可視化と自動要約の仕組みを導入。1件あたりの平均処理時間(AHT)を約30秒短縮するとともに、応答率は平均84%以上と高い水準を維持している。
同センターは、定期券やICカードの利用案内、忘れ物、運行状況の問い合わせなど、公共性の高い窓口として正確性と迅速性の両立を求められる業務を担う。一方で、紙のダイヤ表やFAXによるアナログな運用、各システムが分断され情報を一元管理できない状況が課題となっていた。問い合わせ内容の多様化も進み、オペレータの専門知識や経験に依存する運用が、新規採用や新人育成のハードルとなっていたという。こうした状況のもと、属人化を排除し、誰でも一定品質の案内を提供できる環境構築を目指していた。
採用したのは、アルティウスリンクが提供するデジタルコンタクトセンターサービス『Altius ONE for Support』だ。インフラ刷新に加え、音声認識による通話の自動テキスト化と、生成AIによる対話履歴の要約機能を実装。あわせてクラウドCRMを導入し、応対履歴の蓄積・共有・分析を一元的に行える基盤を整えた。他部署との連携や、データ集計にも対応する。

これにより、録音音声と書き起こし結果を同一システム内で照合でき、複数システムを参照する必要がなくなった。管理者は自席から複数の通話をリアルタイムで把握できるようになり、オペレータへの支援や判断の迅速化にもつながっている。 オペレータからは、顧客の声を聞きながらタイピングする運用から、AIが書き起こした文章を確認・修正する運用に変わったことで、負荷が軽減されたとの評価が上がっている。
同社は、今回の基盤刷新を起点に、案内品質の平準化と業務効率化の定着を図るとしている。