コクヨグループのカウネット(東京都港区、宮澤典友代表取締役社長)は、さらなるCX(カスタマーエクスペリエンス)向上に向け、現在運用中の顧客分析AIエージェント『Flyle(フライル)』(フライル提供)の機能を拡張した。
同社は2025年12月からFlyleを導入し、VOC(顧客の声)の分析・可視化を通じて「プロミスブレイク(顧客の困りごと)」の改善に取り組んできた。一方、従来のコンタクトセンターの品質管理は、評価担当者が一部の通話録音を抽出し、手作業でモニタリングする手法で実施。確認対象外の通話に、顧客の不満や潜在的な要望、スタッフの優れた応対が埋もれている可能性があることを課題視していた。

今回の機能拡張により、月間約1万件におよぶ全通話をAIが自動で解析・スコアリングする仕組みを構築。すべての通話データを活用する「全件品質管理」へ移行することで、応対品質の均一化とCX(顧客体験価値)の最大化を図る。
CX最大化のポイントは、以下の3つ。
1.全通話解析による「応対品質の多角的な可視化と均一化」
言葉遣い、課題解決のスピード、顧客の感情変化などを多角的に解析。「共感表明」「丁寧さ」「傾聴姿勢」といった定性的な応対スキルもスコアリングし、スタッフごとの強みや改善点を可視化する。また、注文、登録、返品、決済などの問い合わせカテゴリ別や、商品カテゴリ別の分析にも対応し、データに基づくフィードバックを行う。

2.新人研修のDX化:AIによる「即時ロープレ・フィードバック」
新人スタッフの模擬応対(ロールプレイング)をAIが即時に解析し、良かった点や改善点を具体的にフィードバックする。教育担当者の負担軽減と、スタッフの早期戦力化につなげる。

3.「サイレントクレーム」や「潜在的要望」の全件抽出
全通話データから、顧客のわずかな違和感や潜在的なニーズを自動抽出する。抽出したVOCは、マーケティングや商品開発部門と連携した改善活動に活用し、サービス全体の価値向上を目指す。
同社は今後、AIが全通話のモニタリングや定型的な分析を担うことで、スタッフが顧客の背景を汲み取ることや心に寄り添うコミュニケーションに注力できる体制を整える。AIと人の強みを掛け合わせることで、あらゆる顧客接点において期待を超える体験の提供を目指す。