NEC(東京都港区、森田隆之代表取締役執行役員社長 兼 CEO)は、DXの価値創造モデル『BluStellar(ブルーステラ)』について、AI前提に刷新する方針を発表した。
BluStellarは、NECが顧客企業のDX支援で得たノウハウをシナリオ化した価値創造モデル。2026年度から「BluStellar 2」をAI変革移行期、「BluStellar 3」をAI変革定着期と位置づけ、ビジネスモデル、テクノロジー、組織・人材の3軸で、顧客企業のAIトランスフォーメーション(AX)支援を強化する。
冒頭、執行役 副社長 兼 COOの吉崎俊文氏は、「一部の業務や技術を置き換える話ではなく、価値が生まれるプロセスそのものが変わり始めている」と説明。今回のアップデートは、BluStellar 2にあたり、30のBluStellar ScenarioすべてをAX化する。業務プロセスそのものをAI中心に再設計し、人は経営判断や意思決定に注力できる環境の実現を目指す。これについて、プロダクトを担当する執行役 Corporate EVP木村哲彦氏は、「NEC社内(クライアントゼロ)において、管理会計業務では約60%の効率化を見込むほか、AIを活用した経営戦略策定では、従来3~6カ月かかっていたプロセスを2時間に短縮できた」と述べた。
執行役 Corporate EVP木村哲彦氏
あわせて、社会や企業のAXを加速させるものとして、『AI Platform Service』を5月より提供開始する。執行役 Corporate EVP 兼 CAIOの山田昭雄氏は「AI活用に必要な最先端のAI機能群を、フルスタックで提供するもの」と説明する。具体的には、40以上のNEC独自機能に加え、パートナー企業の技術も合わせて100超のサービス機能群により、開発から運用まで幅広く対応する。また、Cisco AI Defenseによるグローバル標準対応のAIガバナンス機能、ガードレールや自律的な改善機能などのAIハーネス技術を組み合わせることで、ネットワーク層からアプリケーション層まで垂直統合型でガバナンスを確保。ユーザー企業は、プラットフォームを意識することなく、安全・安心にAI活用・運用できるという。提供形態は、ソフトウエアおよびAIaaS(7月提供開始)で。提供金額は月額30万円(税別)から。
また、日本企業として初めてAnthropicのグローバルパートナーとなり、同社の生成AIモデル「Claude」を活用したソリューション開発を進めることも発表。吉崎氏は「Anthropic社とともに新しい市場を一緒に作っていきたい」と強調。NECグループのエンジニアにClaudeを展開し、社内実践で得た知見を顧客向けシナリオに反映する方針を示した。一方、金融、製造、自治体など、日本特有の法規制や高いセキュリティ要件が求められる領域を中心に、業務特化型シナリオを共同開発する。そのなかには、サイバーセキュリティ領域も含まれるという。なお、BluStellar ScenarioへのClaude活用については、「データ起点の意思決定能力向上による経営/事業管理の良質化の進化」と「顧客理解の高度化による新たなカスタマーサービス体験創出と収益拡大」の2シナリオへの適用から始め、順次ほかのシナリオに拡大していく方針だ。
同社はBluStellarの2030年度目標を上方修正し、売上収益1兆3000億円、調整後営業利益率25%を目指す。AI市場の拡大に加え、グループ会社との連携強化やAXによる生産性向上、社内コスト構造の見直しなどを成長要因に挙げている。