ZVC JAPAN(東京都千代田区、下垣典弘代表取締役会長兼社長)は、4月14日、年次イベント「Zoom Experience Day 2026」を東京・高輪ゲートウェイシティで開催した。「ビデオ会議の先へ ― AIが会話を行動へ導く」をテーマに、24のセッションと最新のZoom製品展示を通じて、AIを組み込んだコミュニケーションプラットフォームの活用像を示した。
Opening Keynoteでは、下垣氏が「Zoomはビデオ会議の枠を超え、AIファーストのコミュニケーションプラットフォームへ進化している」と説明。ビデオ会議や電話、チャット、メールといった接点で発生した会話を、次の行動や意思決定につなげることが重要だとし、これらをAIで支援する方向性を示した。また、同イベントの来場登録が2000人を超えたことも明らかにした。

続いて、NTTドコモビジネス、奈良市、トヨタアルバルク東京が登壇し、それぞれの立場から「AI時代のコミュニケーション」について講演した。NTTドコモビジネスは、本髙祥一常務執行役員が登壇。ZVC JAPANとの協業で展開するパッケージソリューションの特徴や狙いを紹介するとともに、中堅・中小企業や自治体に向けた提案を強化していく方針を説明した。
奈良市は、仲川げん市長が登壇。「地方自治体から日本のOSを再起動する」をテーマに掲げて、奈良市役所 30年構想で、奈良市が30年後の職員500人体制を見据えた行政運営のDXを進めるなかで、『Zoom Phone』と『Zoom Contact Center』を活用した庁内電話のクラウドPBX化とコールセンター改革を進めていることを紹介した。年間約131万件にのぼる電話対応の見直しを進め、今後はAIを活用した自動応答や応対データの分析を通じて、市民対応と職員業務の両面を再設計していく考えを表明した。
トヨタアルバルク東京は、林 邦彦代表取締役社長が登壇。新アリーナ『TOYOTA ARENA TOKYO』の構想を説明するとともに、ZVC JAPANの協力のもと、AIアバターによる演出や多言語通訳のデモンストレーションを実施したことを紹介した。外国籍選手や海外来場者との接点が増えるなか、AIによる言語支援がチーム運営や観戦体験、チーム内でのコミュニケーションの向上につながるという見解を示した。
コンタクトセンター関連では、Zoom Contact CenterとZoom Virtual Agentの最新セッションから、自治体窓口をテーマにした事例セッション、一般社団法人 日本コンタクトセンター協会 会長 呉 岳彦 氏による特別対談が実施された。伊藤忠テクノソリューションズとエスプールグローカルは、自治体向け住民対応業務での活用事例を紹介。Opening Keynoteでも取り上げられた奈良市を例に挙げ、『Zoom Contact Center』を基盤とした電話応対改革の可能性を示した。FAQ提示、文字起こし、AIボイスボット活用などを通じて、住民対応の精度向上と職員負担の軽減を図る方向性を説明した。
日本向け最新プロダクトセッションでは、ZVC JAPAN グローバルアーキテクツ/テクニカルセールスアーキテクトの深海健一氏が登壇。米国イベント「Enterprise Connect」で発表した内容を踏まえ、『Zoom Contact Center』と『Zoom Virtual Agent 3.0』を中心に、日本市場で注目すべき機能を紹介した。LINEとの連携、AIによるレポート生成機能『CX Insights』、画像認識を含むマルチモーダル対応、音声・ビデオチャネルでの通訳機能などを説明。深海氏は、AIの役割が会話の分析や要約にとどまらず、対応履歴や会話データをもとに改善提案や解決支援まで担う段階に入っているとし、コンタクトセンター運営のあり方が変わりつつあると強調した。
特別対談では、日本コンタクトセンター協会 会長で、ベルシステム24ホールディングス 取締役 常務執行役員 CHRO 人事・総務管掌 管掌役員の呉 岳彦氏、下垣氏、ZVC JAPAN CX Sales Specialistの日向健一氏が登壇。日向氏の進行のもと、AI時代のコンタクトセンターの役割について議論した。呉氏は、AIエージェントを業界に大きな影響を与える技術として挙げる一方、自動応答の高度化だけでなく、コンタクトセンターに蓄積されるデータをマーケティングや経営にどう生かすかが重要になると指摘した。下垣氏も、生成AIによって従来は構想段階にとどまっていた仕組みが実装可能なレベルに達しているとし、今後はAIエージェントの運用設計が競争力を左右するとの見方を示した。