「CX特化型AI」を業務に組み込む
“AI on SaaS”で大規模層へ訴求
Zendeskが実施したCX調査から、消費者、企業ともに、「カスタマーサポートにAIは不可欠」と捉えていることが明らかになった。これを踏まえ、カスタマーサービスソリューション「Zendesk」はどう進化していくのか。2025年7月に新社長に就任した森 太郎氏に、日本市場における成長戦略を聞いた。

──日本でのビジネス概況を教えてください。
森 2013年の日本法人の設立から12年、3600社というSaaSベンダーとしては大規模な顧客基盤を有しており、当社が提供する『Customer Service Suite』は、CXに特化したプラットフォームとして独自のポジショニングを築けていると自負しています。
──CXプラットフォームベンダーとして、コンタクトセンター市場の趨勢をどう捉えていますか。
森 AI活用が消費者に受け入れられつつあると感じています。現に、当社が日本を含む22カ国のビジネスリーダーと消費者を対象に実施したアンケート調査「CX Trends Report 2025」においては、消費者の75%がサポートチーム(カスタマーサポート)の「AI活用に対し安心感があること」が示されました。
── 一方、企業側のAI活用状況は。
森 人手不足を背景に、定型的な問い合わせはできる限り自動化する傾向が年々強まっています。さらに、日本のサポート担当者の9割が、「AIへの投資はもはやオプションではなく、カスタマーサポート業務の将来の成功に不可欠」と回答しておりAIへの期待値も極めて高いと捉えています。
──Zendeskの開発・強化方針を教えてください。
森 “AI on SaaS”の方針のもと、汎用的なLLMをCXに専門特化してチューニングした「AIエージェント」を筆頭にプラットフォーム上で業務に寄り添った機能を提供し、企業のCXおよびEX向上を支援していく方針です。近年、トレンドワード化している“AIエージェント”も機能の1つとして提供しています。CXに専門特化しているAIがベースとなるため、短時間かつ簡単に構築でき、オペレータあるいは顧客の“代理人”として機能します。
──CCaaS(Contact Center as a Service)や分析プラットフォームなどの買収も積極的です。
森 これらのプロダクトのコアであるAIをZendeskプラットフォームに取り込むことで、当社が標榜する「Resolution Platform」としての価値を高める計画です。
──日本市場におけるビジネス戦略を教えてください。
森 近年は、前年比2ケタ成長を維持していることから2拠点目のデータセンターを設立するなど、グローバル本社からの期待も大きいです。この期待に応えるべく、従来のメイン顧客のSMB層を軸として、エンタープライズ層へと導入を拡大していきたいと考えています。訴求力を高める観点で、ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)の取得に向けて動いているところです。並行して、カスタマーサクセスの体制拡大も図っています。