パナソニック 空質空調社

今月のPOINTS!
■システム概要
パッケージエアコン(業務用エアコン)のサポート窓口「パナソニック空調110番」の音声基盤として、SCSKが提供する『PrimeTiaas SharePack』を導入した。
■選び方のポイント
音声認識や生成AIを活用した自動要約オプションなど、業務改革に必要な機能をオールインワンで提供できる点を評価した。また、一次窓口の業務委託先がSCSKのグループ会社、SCSKサービスウェアであることから、従来のオペレーションを踏まえた導入・運用サポートも期待した。
■使い方のポイント
業務委託先とのシステム統合により、稼働状況の可視化による業務改善体制を構築。現場では、通話内容のリアルタイム文字起こしによる生産性向上、クレーム対応の早期フォロー体制を実現した。さらに、自己解決促進と利便性向上を図る施策として、SMSによるWebサポートコンテンツ「P-SPEC」への誘導およびボイスボットをIVRメニューに組み込んだ。ボイスボットの会話フローは、最終的にP-SPECへ誘導するようにし、自己解決促進も図った。
パナソニック 空質空調社は、業務用空調の電話技術窓口「パナソニック空調110番(PAC)』のCX改革を目的として音声基盤をリプレースし、「マネジメント」「生産性」「顧客体験」の3つの視点で改善を図っている。
同窓口は、エンドユーザーである店舗や事業所のほか、施工業者や代理店、販売店からの問い合わせに対応している。受電は年間で約2万件。コールリーズンは、商品仕様や施工方法、後継品置換、仕様書送付依頼と多岐にわたり、後処理に時間を要するものも少なくない。一次窓口はSCSKサービスウェアに業務委託し、エスカレーション対応やバックヤード業務、運営管理はCS企画部が担当している。
今回のリプレースに携わった同部 CS戦略課の菅原 颯氏は、「業務委託先の拠点が遠隔地にあるため、既存のオンプレミス型の音声基盤では、会話内容や稼働状況といった品質改善に必要なデータをリアルタイムに取得してアクションを起こすことができなかった」と、当時の課題を振り返る。メーカーの顧客接点としての重要度が増すなか、生産性や顧客体験といった窓口品質を適切にマネジメントするうえで、オンプレの既存システムでは限界を感じていた。
また、CXの観点では、「いつでも迅速に問題解決したい」という顧客ニーズに応えるべく、2024年から自己解決チャネルとして提供している業務支援サイト「P-SPEC」の利用が思うように進まないという課題も抱えていた。

これらの課題を解決するため、同社が導入したのは、SCSKが提供するクラウド型コンタクトセンタープラットフォーム『PrimeTiaas SharePack』だ。コスト・運用の両面で、音声認識やボイスボット、生成AIを活用した自動要約オプションといった最新の機能も含めてオールインワンで利用できる点を評価した。現場の管理運営を担う同部 CS企画課主務の雨宮智史氏は、「SCSKサービスウェアがSCSKのグループ会社であるため、従来のオペレーションを踏まえた導入・運用も期待するところでした」と説明する。
クラウドシフトにより、一次窓口とCS企画部の統合を実現。ダッシュボード画面から一次回答率、占有率といったデータに基づいたPDCAの実行基盤が整った。これと並行して、音声認識機能を活用した通話内容のリアルタイム文字起こしによるオペレータ支援を開始し、生産性向上を図っている。
リアルタイム文字起こしは、応対中にオペレータが会話を確認することによる聞き返し防止やナレッジの自動ポップアップのほか、クレームの検知によるフォローの迅速化にも寄与している。
これに加え、生成AIとの連携による自動要約オプションを利用したACW削減を実現するための検証を進めている。
P-SPECの利用促進には、SMSとボイスボットオプションを活用。電話からの導線を整備した。
IVRガイダンスにSMS送信のフローを組み込むことで、P-SPECへの導線を告知。さらに、Webコンテンツの利用に心理的な抵抗感を持つ顧客が少なくないことを想定し、自己解決可能で一定量の問い合わせ件数のあるリーズンをボイスボットで自己解決できるよう、IVRメニューに追加した(図)。

ここで、工夫したのは会話フローだ。CS戦略課 主務の広川 帝氏は、「ボットとの会話に慣れていないことを想定し、顧客に発話してもらうのは1回のみになるよう設計しました」と説明する。発話内容はP-SPECにおける入力項目と同一で、適切な回答の記載ページにSMSで誘導する仕組みだ。いずれのメニューも最終的にP-SPECに誘導することで、次回以降の利用を促す狙いもある。2025年2月に本格稼働を開始し、P-SPECの利用率は毎月向上しているという。
今後は、文字起こしデータを活用した応対品質の評価やVOC(顧客の声)分析など、段階を踏んで運営の高度化を推進する。