カラクリが開発する大規模言語モデル(LLM)シリーズが、経済産業省およびNEDOが協力して実施する生成AI開発支援プログラム「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」に採択された。
GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)は、国内の生成AIの開発力強化を目的に、経済産業省及びNEDOが協力して実施する事業で、主に生成AIのコア技術である基盤モデルの開発に対する計算資源の提供や、データやAIの利活用に向けた実証調査の支援などを行っている。
「KARAKURI LM」は、カラクリが開発する大規模言語モデル(LLM)シリーズの総称。SteerLMと呼ばれる特殊な学習方法を用いていることから、9つのパラメーターの設定が可能で、出力時にパラメーターを変えることで、用途にあった出力を得ることができる。
多くの大規模言語モデルが学習データのラベル付けを「良い」「悪い」の2軸で設定することが多いなか、KARAKURI LMは「Helpfulness」「Correctness」「Coherence」など9つのスコアでデータを学習させており、少ないデータでも高精度な出力を可能にしている。
カラクリは「カスタマーサポートをエンパワーメントする」をブランドパーパスに掲げ、これまでAI SaaS事業を展開。
具体的には、(1)日本のカスタマーサポートに特化したベンチマークの構築、(2)日本のカスタマーサポートに特化したエージェントモデル(70B相当)の構築に取り組んできた。
GENIACに採択されたことを受け、カラクリは社会実装の方法として主に2つの計画を掲げる。
1つ目は、社会の知を拡げていくため、本プログラムの研究成果を公開していく。
2つ目は、年間1000万人が利用する、カスタマーサポート向けAI「KARAKURI」シリーズにLLMを組み込み提供していく。