寝つきが悪い、寝ても疲れがとれない、夜中に目覚めてしまう。睡眠にまつわる悩みの多くは、“寝る環境”が原因であることが多い。寝具の製造・販売を行う日本橋西川では、全国展開している店舗のうち、約100店舗に「ねむりの相談所」を設置。睡眠について幅広い知識を持った「スリープマスター」による無料の相談サービスを提供している。
スリープマスターは、同社が設けている資格制度の1つで、店舗での接客経験を積んだ人材のうち、管理者の推薦を受けた人が社内講座の受講を経て取得できる。そのため、コミュニケーション能力の高い人物が持つ資格ともいえる。
西川の研究機関である日本睡眠科学研究所の調査によると、日本人は平均睡眠時間が短く、3人に2人が眠りの悩みを抱えているという。スリープマスターの大渕 学さんは、「睡眠は生活の基盤であり、起きている時のパフォーマンスを左右するもの。私たちのミッションは、睡眠の質向上に加え、より多くの人に睡眠を楽しんでいただくこと」と強調する。
大渕さん自身は、学生時代は福祉と心理を専攻。かつて、朝なかなか起きられずに悩んだことをきっかけに睡眠科学に興味を持ち、接客が好きだったことから同社に入社。約2年間の接客経験を積んで、スリープマスターを取得した。「相談者様から“(眠れるようになって)精神面が安定した”“人づきあいが上手くいくようになった”といったお声を聞けたときにやりがいを感じています」(大渕さん)。