オペレータ、SVだけでなくセンター長も
「リスキリング」を検討・実践する1年
生成AIは、巷間、よく言われるオペレータ業務の置き換えだけでなく、SVなどのリーダーやセンター長といったマネジメント層の「仕事」を一変させる可能性を秘めている。組織として成長、進化するには、すべてのレイヤーで“リスキリング”が求められるということだ。従来のセンター運営の常識が覆される1年──2024年のコールセンター市場と運営を予測する。
2024年は、能登地方を襲った大地震、羽田空港での前代未聞の事故と波乱含みの幕開けとなった。大規模災害時は、コールセンターがライフラインのひとつ、あるいは被災者支援の手段として機能する企業も数多い。数々の地震や台風といった自然災害、そしてコロナ禍で蓄積した危機管理の経験を活かした運営が期待される。
市場予測については図の通り。やはり今年も生成AIの活用が最大の注目点となりそうだ。加えてクラウドシフト、カスタマーサクセスやカスタマーハラスメントなど、2023年から継続しているトピックや課題も多い。
しかし、とくに注目したいのは、5に挙げた「キャリア戦略の転換点」だ。生成AIの活用は、センター運営の手法を根底から変えるほどのインパクトが予想される。すでに指摘されている「有人対応の高度化によるオペレータのスキルや要件の見直し」に加え、管理する側であるSVやリーダー、センター長もこれまでと異なるスキルが必要になる可能性は高い。センター全体の業務設計の見直しと人材の「リスキリング」が検討される1年となりそうだ。
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