SV/リーダーの意識調査2021
見えにくい「貢献度」と低い「報酬」のモンダイ
成果・実績の可視化ができていない
「正社員」としての評価軸設定が課題
SV/リーダーは、正社員化が進み、待遇も改善されつつある。しかし、トラブル処理に追われる“何でも屋”になりやすく、オペレータから抜擢されることも多いため、本人も「オペレータの延長」という認識が強い。本来ならば、管理職として「経営貢献」という意識を醸成する機会が求められる。アンケートとインタビューから、「経営貢献する」SV/リーダーの育て方を見る。
編集部では、毎年、SV/リーダーの意識調査を実施している。今年(2021年5月12〜28日)は、245名のSV/リーダーがインターネットでアンケートに回答。以下では、回答結果をもとに、SV/リーダーの実像を可視化するとともに、彼/彼女たちの仕事に対するモチベーションや課題を検証する。
アンケート回答者の属性は、図の通り。男女比は、女性がやや多い。勤務地は、関東・関西の首都圏が約半数を占めるが、北海道から沖縄まで全国各地となっている。働いているコールセンターは、インハウスとアウトソースがほぼ半数ずつ。雇用属性は65%が正社員と、近年、多くのコールセンターで正社員化が進んだ結果とみられる。いま働いているコールセンターの就業期間は、「3年以上10年未満」が42%、「10年以上」が46%とベテラン層が中心だ。
主な業務内容を聞くと、「オペレータのフォローや指導」が91%を占め、ほとんどのSV/リーダーが担っている。「苦情などオペレータが対応完了できなかった電話の二次対応」も72%が行っており、SV/リーダーは、オペレータの業務を支える存在として機能している。「その他」についてフリーコメントで回答を募ったところ、新人育成や品質管理、マニュアルやFAQの作成など多岐にわたり、フロア清掃・消毒作業などコロナ禍で新たに加わった業務もあった。
アンケートでは、コロナ禍における働き方の変化についても聞いた。コロナ禍でのオペレータへのケアで心掛けていることを聞くと、「体調やメンタルについてこまめに尋ねている」は69%と、ほとんどのSV/リーダーが実践していた。
図 回答者の属性(n=245)
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SV/リーダー Interview
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