ミック経済研究所、クラウド市場調査を実施

 情報・通信分野分野専門の市場調査機関であるミック経済研究所(東京都港区、有賀 章社長)は、「パブリック型&オンプレミス型クラウド市場」調査を実施した。 同調査では、クラウド市場を次の2通りに分類している。

(1)オンプレミス型クラウドシステム市場:
ユーザー企業向けに仮想化技術を用いたクラウドシステムを構築・販売するソリューション。システムの所有権はユーザー企業側となる。
(2)パブリック型クラウドサービス市場:
ソフトウエア機能をサービスとして提供するSaaS、およびコンピューティングリリース(ITインフラ)をサービスとして提供するPaaS・IaaS。システムの所有権はサービス提供事業者側となる。

 主要ITベンダーへの調査によると、クラウド市場全体では2013年度で6957億円(前年度比15.8%増)¥となる見通し。うち6割が「オンプレミス型」クラウドシステム市場で4232億円、4割が「パブリック型」クラウドサービス市場で2725億円と推定している。いずれの市場も、今後は好調に拡大することが予測され、2017年度には、オンプレミス型が6540億円、パブリック型は3820億円へと拡大し、合計で1兆円を突破すると予測している。


 オンプレミス型の市場では、運用の標準化・自動化のニーズが強まっている。すでにサーバー仮想化を活用したシステムはユーーザ企業に広まっており、この運用を標準化・自動化するニーズが増加していくと見られる。

 2013年度は、オンプレミス型クラウド市場のうち運用の標準化・自動化がなされている案件の規模は4割程度を占めるに過ぎないが、これが2017年度には6割を占めると予測している。

 一方、パブリック型の市場では、採用理由が従来のパブリック型のアピールポイントであった「コスト削減」から「成長加速」「売上拡大」「業務効率化」にシフトしている。また、オンプレミス型クラウドだけでは、参入ベンダーが差別化しにくいため、パブリック型とオンプレミス型を組み合わせたソリューション「ハイブリッド型クラウド」の提案に注力している。ハイブリッド型の場合、システム間連携や、システム監視・運用で差別化ができるという。

2024年01月31日 18時11分 公開

2013年12月17日 15時45分 更新

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