アイ・エム・ジェイ、第二回業界別NPS調査を実施

 アイ・エム・ジェイ(東京都目黒区、櫻井 徹社長)は、「第2回 NPS業界ベンチマーク調査」結果をまとめた。

 対象は、顧客と比較的長期的な関係を築きやすい証券会社9社、化粧品メーカー11社、酒造メーカー6社の3業界。調査期間は2012年12月26日~12月28日で、有効回答数は5485名。

 調査から明らかになった主な点は以下の通り。
1.NPSは業界によって最大値と最小値の差が大きく異なる。要因は複数あるが、商材そのものが推奨しやすい性質を持っているか(利用頻度、価格、嗜好性、推奨の倫理観)が大きく影響していると考えられる。
2.購買行動とNPSの関係では相関が見られ、証券会社、化粧品メーカーおよび酒造メーカーではNPSが高いほど企業の売上が高くなる可能性が示唆されている。
3.証券会社は全体的にマイナスに振れている。窓口販売系よりもオンライン系の方がNPSが高い傾向にある。
4.化粧品メーカーは全体的にプラスで最大値と最小値の幅は比較的大きい。
5.酒造メーカーは全体的にプラスで最大値と最小値の幅は比較的小さい。


証券会社 業界全体的にマイナス

 証券会社主要9社のNPSの分布はマイナス7.5%からマイナス42.2%までと、すべてがマイナスとなった。これは、「投資は自己責任」という一般認識から、友人や知人に推奨することに抵抗を感じた証券業界に特有の結果と考えられる。
 NPSに好影響を与えている要因を業態別にみると、オンライン系では、「取引の簡単さ・スムーズさ」(90.2%)、「Webサイト全体のわかりやすさ」(86.0%)、「取扱商品の充実度」「会社の信頼度・安定性」(ともに85.1%)が上位になっている。店頭窓口系では、「担当者の対応のスピード・柔軟性」(85.4%)、「会社の信頼度・安定性」(85.4%)、「アクセスのしやすさ(店舗数、立地、駅からの距離など)」(82.9%)が上位となっている。
 NPSと購買行動の関係では、「運用している金融資産のうち80%以上を当該口座に預けている人」の割合は、批判者(4.1%)より推奨者(11.7%)が約3倍多く、NPSが高くなる(推奨意向が高い)ほど、メインの運用口座として利用する傾向があることが分かる。


化粧品メーカー 業界全体的にプラス

 化粧品メーカー主要11社のNPSの分布はプラス23.5%からマイナス0.9%までと全体的にプラスに振れている。また、ベスト企業を筆頭に全体が高いスコアとなった。化粧品は利用頻度が高く、利用ニーズも多様化しているため、推奨しやすい商材であることが要因と考えられる。
 NPSに好影響を与えている要因では、「使い心地」(96.7%)、「成分・効能・機能性」(91.4%)、「使用方法の手軽さ」(89.5%)となっている。NPSと購買行動の関係では、「現在持っている化粧品の総額のうち80%以上を当該ブランドが占めている人」の割合が批判者(7.9%)よりも推奨者(23.8%)の方が3倍以上高く、NPSが高くなる(推奨意向が高い)ほど、メインの化粧品として利用される傾向にあることが分かる。


酒造メーカー 変動が小さくプラスで安定

 酒造メーカー主要6社のNPSの分はプラス20.5%からプラス40.3%までと分布幅が小さく、全体的にプラスに振れている。また、ベスト企業を筆頭に全体が高いスコアとなった。酒類は嗜好性が強く、一時的なブランドスイッチが容易であるため、推奨しやすい商材であることが要因と考えられる。
 NPSに好影響を与えている要因は、「味・香り」(93.9%)、「ブランドイメージ」(87.5%)、「製造メーカーの信頼度」(84.5%)となっている。NPSと購買行動の関係では、「最近1年間で、自宅で飲む酒類のうち80%以上を当該ブランドが占めている人」の割合が批判者(11.2%)よりも推奨者(24.4%)の方が約2倍高く、NPSが高くなる(推奨意向が高い)ほど、メインの嗜好酒類として飲用される傾向にあることが分かる。

2024年01月31日 18時11分 公開

2013年02月28日 12時57分 更新

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