「WebRTC Conference Japan」でコンタクトセンターパネルディスカッションを実施

WebRTC Conference Japan実行委員会は2月16日~17日、
東京都千代田区の御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンターで「WebRTC Conference Japan」を開催。プログラムのひとつとして、パネル・ディスカッション「WebRTCはコンタクトセンターを変える」が行われた。


WebRTC(Web Real-Time Communication)は、電話やチャット、ビデオ通話などのチャネル(コミュニケーション手段)をWebブラウザに融合できるテクノロジー。Web上で顧客の「調べる、比較する、買う、問い合わせる」という一連の購買行動を完結させる手段として、注目度が高まりつつある。



モデレータは、アビームコンサルティング執行役員 プリンシパルの秋山紀郎氏。パネリストは、メットライフ生命保険 プロデューサー保全・保険金サポートサービス部長の永倉俊幸氏、コミュニケーションビジネスアヴェニュー 情報統括責任者の岡村洋一郎氏、SCSK ソリューション事業部門AMO第一事業本部フロントサービス部PrimeTiaas課シニアマネージャの坂田陽一郎氏、日本アバイア カスタマー・エンゲージメント シニア・ソリューション・スペシャリストの川村有吾氏が登壇。ユーザー企業、SIer、ベンダーの立場から、WebRTCを導入するための条件について議論が交わされた。

左から永倉氏、秋山氏
写真左から、メットライフ生命保険の永倉俊幸氏、アビームコンサルティングの秋山紀郎氏



スマートフォンの普及を背景に、消費者の購買行動はWebサイトを起点として、他のチャネルに移行するケースが一般的になりつつある。しかし、その一方で、企業側が提供するカスタマーサポートは、セルフサポートであるWebとオペレータ対応が必要な電話やメールが、チャネルとしても管理部門としても分断されているケースが多い。これを解消するものとして、「WebRTCへの関心が高まりつつある」と、坂田氏、岡村氏、川村氏は口を揃える。これに対し、永倉氏は、「お客様、あるいは保険商品の販売代理店のサポートチャネルとして検討の俎上には載ったが、IT投資を判断する経営層をうなずかせることは、用意ではない」と導入課題を示した。

左から岡村氏、坂田氏、川村氏
写真左から、コミュニケーションビジネスアヴェニューの岡村洋一郎氏、
SCSKの坂田陽一郎氏、日本アバイアの川村有吾氏


永倉氏は、Webはカスタマーサポートの単価を下げる“コスト削減重視”のチャネルと指摘。そこに新たなヒューマンタッチを作ることに、経営層が難色を示すケースが多いという。これについては、岡村氏も「ユーザーの行動、ニーズの変化に応じてサポートも変わらなければ、という意識はあるものの、コストの観点から議論すると導入へのハードルは上がる」と同意を示した。

パネラー各氏は、課題解決策として、「顧客視点の品質向上を訴えかけること」「トライアルを経るなどして、効果を実感させること」を挙げた。川村氏は、「Webサイトの一部にWebRTCを埋め込んだページを用意して、問い合わせ比率やコンバージョン率の変化を追い、全体の効果を試算することは可能」と強調した。

2024年01月31日 18時11分 公開

2016年02月19日 10時01分 更新

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