リクルートライフスタイル、都内で「CSカレッジ」を開催

   リクルートライフスタイルは3月25日、都内でCSカレッジを開催し、ナビ(ホテルグリーンコア)代表取締役社長の金子祐子氏が登壇。約200名が聴講した。
 CSカレッジは、同社のCS推進部主催で、CS(顧客満足)とES(従業員満足)の事例や理論を学び、研究するための定期イベント。

 冒頭でCS推進部GMの山田修司氏が登壇し、「マネジメントとは」に関するワークショップを実施した。

 次いでホテルグリーンコアの金子祐子社長が登壇し、「マザーリングマネジメントの成果と働きかけのヒント」をテーマに基調講演を行った。

 同ホテルは、埼玉県内で駅から徒歩30分以上という利便性の低い立地にあるビジネスホテルながら、リピーターが後を絶たないという。現在、4棟350室を運営しており、サービス開発や客単価向上を通して利益率向上を実現している。
 これを実現したコンセプトがマザーリングマネジメントだ。金子氏によると、これは「自発的に仕事に取り組むごきげんな社員を増やすこと」だという。
 「2005年頃のホテル業界は、顧客との関わりを減らす傾向が強かったのですが、カギの受け渡し業務を機械的に行う仕事では、従業員はやりがいを持てません。“この会社に入ってよかった”と思う社員をひとりでも増やすことを目標に、顧客とスタッフの関わりを増やす方向に舵を切りました」(金子氏)
 自発性を発動させるための条件は、「信頼されている、受け入れられている、関心を持ってもらえている」とスタッフが感じること。そのために重要なのが関係の質を高めることだという。通常、研修では集合教育で知識と思考を、OJTで行動を、目標管理で結果を求めることを重視しがちだ。だが、それらを高めても人間関係ができていなければ思考、行動、結果にはつながらないのだという。
 関係の質を高めるのが、“コミュニケーション”と“任せること”としたうえで、コミュニケーションのポイントについて金子氏は「スタッフがチャレンジしたくなるようなコメントを考えて伝えること。言いたいことを聞いてもらうのはコミュニケーションではありません」と解説する。
 また、「任せる目的は絶え間なく思考してもらうため。口を出す、意見するということは“自分の意見に従え”と同じ意味ですから自発性を潰してしまいます」(金子氏)と話す。具体的には「スタッフの提案を受け入れる」ことを徹底した。
 金子氏は「人は自分の想像と違うものが出てくると、何かを言いたくなります。“ん?”と思うのは自分の価値観との相違があるから。体制や命に関わるなど一定のラインに触れない限りは自発性をつぶさないことを優先しました」と解説した。
 こうして、近隣住民を対象にしたスクールの開催や近隣動物園との連携によってファミリー層を開拓。各ホテルでは次々と新サービスが誕生し、利益は着実に伸びているという。


2024年01月31日 18時11分 公開

2015年03月30日 09時37分 更新

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