IDC Japanの「国内ITサービス市場予測」、前年比2.8%増と推定

 IT専門調査会社のIDC Japan(東京都千代田区、竹内正人社長)は、国内ITサービス市場予測を発表した。

 同市場は、2013年末から2014年前半にかけてSI(システムインテグレーション)など、システム構築需要が好調に推移。2014年の市場規模は5兆1720億円、前年比2.8%増と予測している。

 産業分野別にみると、政府/公共や金融業などで大型システムの再構築やシステム統合などの案件が多かった。システム別では、これらの大型案件に加え、クラウドへの移行、データセンターサービスの利用、ネットワークやセキュリティの強化、カスタムアプリケーション保守などへの支出が拡大している。

 同社によると、2014年後半以降も堅調に成長するものとみられ、同市場の2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は1.9%で推移し、2018年の市場規模は5兆5239億円になると予測。消費増税後の国内景気の先行き不透明感はあるものの、金融機関におけるシステム統合案件が継続するほか、「社会保障・税番号制度」に関する投資、クラウドやモビリティなど第3のプラットフォーム関連の投資が市場のけん引役になるとみている。 

 一方、開発や運用の省力化/自動化やIT投資の海外シフトなど、構造変化は継続。IDC Japan ITサービス/コミュニケーションズ グループディレクターの寄藤 幸治氏は「中長期的にはシステム構築中心の市場成長は限界を迎え、構築したITシステムがいかに付加価値を生むことができるかが競争軸になる。国内ITサービスベンダー各社は、システムを『作る/運用する』だけではなく、作ったシステムがどのように顧客ビジネスに貢献するのかまでを含めた提案をし、その結果に対しても責任を負っていくべき」と分析している。

2024年01月31日 18時11分 公開

2014年10月23日 12時05分 更新

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