J.D. パワー アジア・パシフィック、コールセンター満足度調査を実施

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関、J.D. パワー アジア・パシフィック(東京都港区、鈴木 郁社長、略称:J.D. パワー)は、2014 年コールセンター満足度調査を実施した。

 直近1年以内に企業のコールセンターに問い合わせをした一般消費者を対象に満足度を聴取するとともに、各種活動実態を聞いたもの。今年で3回目の実施となった今回は、2014年4月にインターネット調査を実施し1万2001人から回答を得た。

 調査対象業界は、パソコン関連メーカー、家電・電気製品メーカー、インターネットサービスプロバイダー、銀行、証券会社、生命保険会社、損害保険会社、消費者金融、クレジットカード会社、携帯電話事業者、自動車メーカー。加えて、参考業界として通信販売会社。

 測定にあたって、コールセンター利用時に経験する領域(ファクター)をあらかじめ設定し、各ファクターに関連する詳細項目への評価を基に1000点満点で算出。各ファクターが総合満足度に与える影響度は、「担当者/オペレータ」(70%)、「自動音声案内」(30%)となっている。

◆コールセンター満足度はロイヤルティ・推奨意向向上に貢献

 同調査では、「コールセンターを利用した企業の商品・サービスを今後も利用したいと思うか」「その企業を知人・友人や家族に勧めようと思うか」を聞いており、コールセンターへの満足度と企業へのロイヤルティの関係、推奨意向との関係を分析している。

 その結果、ロイヤルティは、コールセンターへの満足度が1000点満点中800点以上と特に高い層の59%が「非常にそう思う」と回答し、一方で満足度の低下に伴い、その割合は低下し、満足度が500点未満と特に低い層においては、7%だった。

 同様に、推奨意向に関しても、コールセンターへの満足度が1000点満点中800点以上と特に高い層の27%が「非常にそう思う」と回答し、満足度が500点未満と特に低い層においては、3%と顕著な低下を見せた。

 「コールセンターへの満足度が高い人は、その企業の商品・サービスへのロイヤルティも高い」という傾向に加え、推奨意向に関しても同様の傾向が見られることがわかった。この結果から、コールセンターが高い顧客満足度を保つことによって、その企業の商品やサービスの継続利用の促進ならびにクチコミなどによる新規顧客獲得を実現し、企業の利益に貢献する機能があると言える。

◆他チャネル併用者の増加

 同調査では、コールセンター利用前後で対象企業が提供する他のチャネル(FAX、郵送、ホームページ掲載情報、インターネット経由のサポート、メール、SNSの企業公式アカウント、窓口・支店、その他)を利用したかどうかを聴取した。

 今回、コールセンター利用前に他のチャネルを利用した人の割合は、昨年実施の調査から7.4ポイント増えて24%となった。他チャネルの中でもホームページ掲載情報、インターネット経由のサポートの利用増加が見られ、コールセンターに連絡してくる時点ではすでに、ある程度の情報を把握していると想定できる。また、他のチャネルでは解決できなかった、あるいは得られなかった情報を獲得する目的でかける顧客が増加していると推測される。

 コールセンターを利用する理由は、全体の半数以上が「直接話せば確実に用件を済ませられるから」、4割近くが「迅速に解決できるから」と回答。コールセンター利用前に企業ホームページなどを利用する顧客が増加していることから、センターには顧客の要望や求める情報を的確に捉え、迅速に対応できる質の高いサービスが期待されていることがわかる。

◆金融4業界が総合満足度上位4位を独占

 評価対象の業界中で最も高い総合満足度だったのは、3年連続で損害保険会社。次いで、昨年6位だった証券会社が2位となった。「担当者/オペレーター」「自動音声案内」というファクター別の満足度では証券会社が1位となった。また、銀行が昨年5位から4位に順位を上げ、評価対象9業界の上位4位を損害保険会社、証券会社、生命保険会社、銀行の金融4業界が独占する結果となった。









2024年01月31日 18時11分 公開

2014年06月18日 16時48分 更新

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