2018年6月号 <サービスのプロに聞く>

大網 幸治 氏

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

和食の達人が持つ経営哲学とは──
「人が人を呼ぶサービス」の真髄

和食鉄板 朔月
料理長
大網 幸治 氏

Profile

大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、割烹、料亭、ホテルなどで16年の修業後、代官山の萬葉庭で初料理長に就任。その後、「朔月」の立ち上げから9年間、料理長として腕を振るうと同時に運営会社の常務取締役の顔もあわせ持つ。「料理は遊び心を持ちながら真面目に作り、お客様の記憶に残る料理を少しでも多くお出しできるよう毎日精進する」ことがモットー。

 東京、いや日本屈指の繁華街である銀座。その一角で鉄板焼きを中心として幅広いメニューを提供し、かつバリアフリー対応を実施しているお店が、「和食鉄板 朔月」だ。

 料理長の大網幸治さんは、同店を経営するオービットの常務取締役、外食事業部部長というビジネスマンの顔を併せ持つが、もともとは割烹や料亭、ホテルで腕を振るった生粋の職人。オープン当初は、「自らビラ配りもした」というほど苦労したが、ここ数年は軌道に乗り、2号店を出店するほどになっている。

 成長の秘訣は、適切な投資にある。その投資ポイントは、(1)メディア、(2)人材──の2点だ。メディアはオウンドメディア(自社サイト)を重視。人材は「従業員がのびのびと働くとお客様にもそれが伝わる」というポリシーに基づき、きちんとした報酬、モチベーションを高める従業員との向き合い方を日々模索している。

 「料理には文字化できるレシピがありますが、接客は“気持ち”です。誰でもできるようなスキルではないですので、いい先輩の背中を見て育つ環境を作りたい」(大網さん)

落ち着いたレイアウトの店内。フロアはバリアフリー化されている

高級鉄板焼きのお店に似合わないお好み焼きも提供。「将来的には厨房のスタッフにも障害者を採用したい。お好み焼きは、簡単にレシピ化できる料理なのでそれに備えて用意しています」(大網さん)