2018年5月号 <事例研究>

事例研究

freee

クラウド時代のBtoBサポート
要諦は「超速度」のVOC活動

会計などの業務ソフトウエアのクラウド化が急速に進行している。その最大の特徴は、バージョンアップをはじめとした改善サイクルの早さだ。顧客の要望や不満に直面するサポート部門は、そのサイクルを回す起点の役割を担う。「クラウド会計ソフト freee」を提供するfreeeは、従来型のVOC活動をはるかに凌駕するスピードの改善に挑戦している。

 中小企業や個人事業主に向けて事務管理(バックオフィス)のクラウドサービスを提供するfreee。主力商品である「クラウド会計ソフト freee」は、2013年3月のリリース以来、わずか5年で利用者100万事業所を突破するなど、急激な成長を遂げている。

 同社のテクニカルサポート窓口である「プロダクトサクセスグループ(PSG)」は、大きく5つのチームで構成している()。最も大きなチームが「ファステストカスタマーサポート(FCS)」で、会計・人事労務ソフトのテクニカルサポートのほか、業務処理の相談などにも対応する。チャネルは電話・メール・チャット。営業時間は平日10時〜18時。土日・祝日は未対応。電話は予約制で、ユーザーの希望日時にアウトバウンドで対応する。会計ソフトにはチャットボットによるセルフサポートを導入しており、24時間365日利用できる。

 クラウドサービスの強みは、ユーザーの声を反映しながら常に進化する点だ。要望や不満を聞き入れてスピーディに改良することで顧客満足度を高め、離反防止につなぐことができる。言い換えれば、迅速な改善サイクルや柔軟な組織体制がカギを握ることになる。同社では、この強みを活かすため、よりスピード感をもって改善サイクルを回す方法を模索。「プロダクトサクセス・ループ」として、確定申告期間である1月から3月のあいだ、毎日朝夕の2回、サポート部門と開発部門がVOCを共有し、その場で対応を協議、迅速にサービス改善を図る体制を構築した。本誌では、この体制の詳細と導入効果について聞いている。

プロダクトサクセスグループの小川紀一郎マネージャー(右)と、アドバイザーサポートの井上 健マネージャー

プロダクトサクセスグループの小川紀一郎マネージャー(右)と、アドバイザーサポートの井上 健マネージャー

図 Product Success Groupの組織構成

図 Product Success Groupの組織構成

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Center Profile

センター

Product Success Group(プロダクトサクセスグループ)として5つのチームで構成。会計・人事労務ソフトのテクニカルサポートのほか、業務処理の相談などにも対応する。チャネルは電話・メール・チャット。営業時間は平日10時〜18時。土日・祝日は未対応。チャットボットによるセルフサポートを導入しており、24時間365日利用できる。