2018年2月号 <CS戦略>

カスタマーサービスセンター

<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。

ブッキング・ドットコム

「AI+人」のハイブリッドサービス開始

ブッキング・ドットコム・ジャパンのカスタマーサービスセンター

世界最大規模の宿泊予約サイトの日本法人。都内で230〜240人体制で運用。オペレータは全員が2カ国語以上を身につけたバイリンガル。本国であるオランダの文化を踏襲、機能性とデザインの両立を図っている。
本社:東京都港区
URL:https://www.booking.com/index.ja.html

 グローバルで最大規模のオンライン宿泊予約サイトBooking.com(ブッキング・ドットコム)。日本法人であるブッキング・ドットコム・ジャパンを含め、世界16拠点にカスタマーサービス拠点(カスタマーサービスセンター)を設置、勤務しているスタッフ数は実に8000名以上を数える。カスタマーサービスへの注力は、人材だけでなくIT投資にも表れており、自社開発によるさまざまなツールを導入している。

全方位型チャットボットの可能性

 同社は、2017年12月からチャットボット「Bookingアシスタント」のパイロット版を公開、英語のみだが、順次予約受付に適用しつつある。

 一般的に、チャットボットの適用範囲はカスタマーサービスのごく一部に限定されることがほとんどだ。具体的には、FAQとして用意されているコンテンツのみが対象である事例が多い。これは言語を問わず共通の取り組みだ。

 それに対し、Bookingアシスタントは支払い、アクセス情報、チェックイン/アウト、予約内容の変更、キャンセル、駐車場、ペットの受け入れ、インターネット環境など、回答範囲は極めて広い。チャットボットで対応できない問い合わせの場合は、その内容によって同社のカスタマーサービスか宿泊施設にサポートを要請できるルールを策定している。

 同サービスは、日本法人の岩崎 健広報担当部長が「『AI+人間』のハイブリッド型サービス」と説明するように、必ずしもAIによる自動応答中心へ舵を切ったというわけはない。しかし、同社が実施した26カ国1万9000人を対象とした調査によると、「返答さえあれば、対応する相手が人間でもコンピュータでも構わない」という回答が約半数を占めたという。Bookingアシスタントは、電話やメールなどの従来型のカスタマーサービスよりも需要を満たす存在になる可能性を秘めている。

 日本のカスタマーサービスセンターは都内で230〜240名体制。ほぼ全員が2カ国語以上を操るバイリンガルで、高品質サービスを提供している。Bookingアシスタントの日本語対応については未定だが、まずは英語でサービスインする可能性は高い。同社のユーザーは英語ができるウエイトは高いと想定されるため、実装されれば利便性は高まりそうだ。

トップ画面

チャット画面

ブッキング・ドットコムのトップ画面(左)、右上の吹き出しをクリックするとチャット画面に移行(右)。現段階では英語のみで対応している。