2018年1月号 <特集>

特集扉

IT市場から見る
「AIコールセンター」の近未来

Part.1 <市場トレンド>

顧客対応から人材配置、採用・教育まで
現状と課題から探る“8つの適用範囲”

オペレータの業務支援とチャットボットが目立つコールセンターのAI活用。しかし、「人類の歴史を変える」とまで言われるこのテクノロジーは、顧客対応(オペレーション)だけでなく、センター長やSVの業務領域をカバーする可能性を秘めている。人手不足、消費行動の多様化など現状と課題を踏まえたうえで、近未来の活用シーンを検証する。

 コールセンター/CRM分野でAI活用はどこまで拡がるのか。コールセンタージャパン編集部が主宰する5年後のコンタクトセンター研究会 ソリューション/サービス分科会(SI・ITベンダーなど20社以上の有志が集まり同分野のIT動向を研究)では、コールセンター/CRMの運営課題からAI適用領域を洗い出している(図1)。

 本特集では、ミック経済研究所が2017年8月に発表した「AIエンジン&AIソリューション市場の現状と将来展望」から、コールセンター/CRM分野におけるAI市場規模の今後の拡がりを踏まえつつ、コールセンターにおけるAI適用領域を探る。現在主流のオペレータ支援、チャットボットだけではない、カスタマーサポートのさらなる進化を促す、近未来の技術にも触れる。

図1 コールセンターのAI適用領域

図1 コールセンターのAI適用領域

(参考:5年後のコンタクトセンター研究会:ソリューション/サービス分科会)
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CASE STUDY 1:SMBC日興証券

新規顧客の投資銘柄選びをサポート
LINEチャットボットで気軽な利用促す

CASE STUDY 2:freee

チャットボットでテクサポ実践
定型的な操作説明など7割を自動回答


Part.2 <ソリューションの考察>

事例が急増する「チャットボット」
“育成”から支援するベンダー各社の戦略

コールセンターにおけるAI活用は、「オペレータ業務支援」から「チャットボット」に注目が移行している。しかし、導入には、“AIを人手で育てる”プロセスが不可欠で、その素材であるFAQなどのナレッジベースの整備が大前提となる。ベンダーのなかには、FAQ作成から運用、メンテナンスまで一気通貫サービスを提供する企業も登場している。

 コールセンターのAI活用は、(1)自動応答、(2)応対支援、(3)予測・分析──の3つに集約される。このうち、最も導入が進んでいるチャットボットの構築のポイントについて識者に聞いた。

 コンタクトリーズンごとの問い合わせ件数や平均対応時間、応対に必要なスキルなどを踏まえて、チャットボットの適用範囲を決定。現場のSV・オペレータが“教師役”となり、長期的視野で“育てる”プロセスが重要だ。

図2 「IBM Watson」を活用した対話型チャットボット構築の流れ(例)

図2 「IBM Watson」を活用した対話型チャットボット構築の流れ(例)

(出典:日本IBM)
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