2017年12月号 <CS戦略>

小川 紀一郎 氏(左)浅越 光一 氏(右)

ファステスト・カスタマーサポート
マネージャー
小川 紀一郎 氏(左)
業務企画チーム
浅越 光一 氏(右)

<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。

freee

会計・労務をチャットでサポート

企業プロフィール

設立:2012年7月
所在地:東京都品川区西五反田2-8-1 五反田ファーストビル9階
事業内容:「クラウド会計ソフト freee」を始め、バックオフィス業務支援ソフトの開発・販売

 企業経営に欠かせない会計業務や人事労務管理。しかし、決算や確定申告のたびに発生する分厚い帳簿や束になった伝票の整理、複数のソフトウエアを使った従業員管理など、その負荷は大きい。

 freeeは、これらバックオフィス業務の自動化・効率化を支援する業務ソフトウエアを提供する。「クラウド会計ソフト freee」は80万事業者、「人事労務 freee」は10万事業者に利用されている(2017年4月現在)。同社のファステスト・カスタマーサポート(カスタマーサポート部門の呼称)は、管理職も含めて合計40人規模。チャットを中心に1日数百件の問い合わせに対応している。

 ファステスト・カスタマーサポート 業務企画チームの浅越光一氏は、「当社のプロダクトは、人手を介さずにソフトウエア上で業務を完結させるトータルサポートを重視した設計のため、カスタマーサポートのカバー範囲も非常に広範です」と説明する。さらにユーザー(事業者)の規模も、個人事業主から大企業まで幅広い。問い合わせ担当者の業務リテラシーにもバラつきがある。

 ファステスト・カスタマーサポート マネージャーの小川紀一郎氏は、「テンプレート対応では解決できないケースが大半で、(ユーザー側で)課題が整理されていない状態も珍しくありません。コミュニケータにはコンサルティングに近い応対スキルと業務知識が求められます」と強調する。さらに、決算や確定申告時ともなれば、問い合わせ件数は通常の3倍にハネ上がる。ユーザーを待たせないためにも「スピード感」が要求される。「自力で即答ができないと判断したら、積極的にSVやプロダクトスペシャリストの支援を受けるよう徹底しています」と小川氏は説明する。プロダクトスペシャリストは会計士や税理士の資格取得者だけでなく、自社サービスに精通するエンジニアも含まれる。「頻繁にアップデートを実施するため、新機能や仕様に関する情報は応対に必須です」(浅越氏)。

 問題を解決できず、応対終了後の顧客満足度調査で「不満」を表明したユーザーには、現場の判断でヒアリングを実施。速やかに応対改善および関連部門への改善提案を行っている。小川氏によれば、「不満を把握してから2時間後には電話している」という。スピーディーに顧客満足を追求する姿勢は、同社がコンセプトの1つとして掲げる“チャレンジ精神”のもと、現場への権限委譲が進められているからこそといえる。

会計ソフトfreeeのチャット窓口

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