2017年9月号 <CS戦略>

土屋 智敬 氏

カスタマーサポートグループ
グループマネージャー
土屋 智敬 氏

<コーナー解説>
カスタマーサービスに注力し、コールセンターやWebサイト、アプリなどを有効活用し成長している企業のキーマンに戦略を聞きます。

ココナラ

“スキルを売り買いするフリマ”の顧客サポート

企業プロフィール

設立:2012年1月4日
所在地:東京都品川区西五反田8-1-5 五反田光和ビル9階
代表者:南 章行 代表取締役
事業内容:スキルのフリマ「ココナラ」の運営・開発ほか

 Webサイトやアプリ上での消費者間の売買を仲介するオンラインマーケットプレイス「ココナラ」。ただし、出品一覧に並ぶのは、物品ではなく、知識やスキル・経験といった「見えない価値」だ。恋愛相談やダイエットメニュー作成から、企業ロゴのデザインやホームページの制作まで、“商品”はバラエティーに富む。幅広い年齢層の消費者が、百人百様の目的を果たすために訪れる。

 購入から納品(または設定期間終了)までは、非公開のトークルームで出品者と購入者がコミュニケーションする。ここで、トラブルの原因となるのが「期待値のズレ」だ。購入者が期待する品質と出品者が提供する品質にズレが生じると、当事者同士での解決は難しい。運営会社ココナラのメールサポートは、購入商品を巡るトラブルの仲裁や、操作方法の問い合わせなどを中心に、365日体制で“フリーマーケット”の秩序を維持する役割を担う。

 カスタマーサポートグループ グループマネージャーを務める土屋智敬氏は、「現実のフリーマーケットと同様に、嫌な思いをしたり、『損した』と感じれば足は遠のきます。物品ではなくスキルをやり取りするビジネスモデルにおいて、トラブルは慎重な対応が求められます」と強調する。「誰もが気持ちよく利用できる場の提供」をミッションとして、次にトラブルが起きないよう、フォローやアドバイスを行っている。

 例えば、イラスト制作の場合、納品物に対し購入者が後から注文をつけてトラブルに発展することがある。出品者にしてみれば、商売である以上、価格に見合わない手間が強いられることは好ましくない。出品者には、「納品物の修正は3回まで。以降は追加料金」のように、あらかじめ条件を提示して期待とのズレを防止する方法を伝える。購入者にも、用途や要望、納期など、購入した時点で出品者に提示するよう促している。

 ほとんどのトラブルは双方へのフォローで解決に向かうが、まれにこじれることもある。企業の論理は通用せず、話は一向に進展しない。こうした際は、「同じ内容の質問への回答は3回まで」というルールを適用している。3回目の回答メールで、次回以降は回答を差し控えることを通知し、以降は返信しない。「運営コストの流出、オペレータへの精神的負荷を防ぐためのルールです」(土屋氏)。

 2017年7月にテレビCMの放映を開始し、利用者は大幅に増加した。より多くの人が出品者、または購入者として定着するよう、サポート体制を強化していく方針だ。

「ココナラ」の出品カテゴリー一覧

「ココナラ」の出品カテゴリー一覧