2017年4月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2016>

嶋田 豊秋 氏

CS向上、コスト削減を果たした
“素人目線”重視の改革

バッファロー
品質保証部CS課 課長
嶋田 豊秋 氏

Profile

嶋田 豊秋 氏(しまだ・とよあき)

2007年バッファロー入社。生産技術部門を経て、2010年よりCS部門に配属。修理センター管理責任者を経験したのち、2012年よりコールセンター管理責任者を兼務。コールセンターの体制変更、Web改善による顧客の自己解決促進、IVR改善などにより、サポート応対品質を改善中。競合他社と比較し、商品力だけでなく、サポートでも「お客様に選んでいただけるよう、満足度向上を目指しています」と力説する。

 「CSの構造改革には、“素人目線”が必要」──バッファロー 品質保証部CS課 課長の嶋田豊秋さんはこう強調する。

 嶋田さんは、2012年10月から外部委託先の集約を含めたコールセンターの体制構築、システムの見直し、Webを活用した自己解決の促進など、さまざまな改革をリードした。その際、重視したのが顧客視点、つまり「素人目線」だ。もちろん、自分の視点だけでなく顧客アンケートも実施、その結果を改善の素材とすることも多い。

 かつてのネットにおける同社のサポートに対する評価は「つながらない」という書き込みばかりが目立った。嶋田さんが主導した取り組みのなかで、この点に最も大きく貢献したのがWebコンテンツの改善で、動画FAQの導入、検索性向上を図った結果、コール数が約10万件から7万件に減少。結果的に応答率も30%台だったものが80%にまで向上した。

 「顧客の評価はもちろんですが、主な販売チャネルである量販店のサポートに対する評価も向上したことが嬉しい」(嶋田さん)というように、顧客視点の徹底が好循環を生んでいることは間違いなさそうだ。

 コール数の減少は、サポート品質の向上のみならず、コスト削減にも結び付いた。さらに、外部委託先を5社から2社に集約することによるベンダーマネジメントの最適化、顧客対応履歴管理システムの見直しでサポートに要する年間費用は数億円を削減している。

トップダウンで指示された
CS部門による「確認プロセス」

 これらのさまざまな取り組みは、コンタクトセンター・アワード、HDI-Japanの問い合わせ窓口格付け調査など、外部機関からも高く評価され、その結果、関係者全員が社長賞を受賞。大きな励みとなると同時に、CS部門の位置づけ向上にも貢献した。

 嶋田さんは、「かつての“お客様対応だけをしていればいい”という立場から、製品開発やマニュアル作成時にはすべて確認が入る体制に変更されました」と説明する。全社的に「CS部門=顧客」という認識が浸透。企業文化すら変わろうとしている段階だ。

 「今後は、WebRTCの活用など、新しいテクノロジーを活かした取り組みを進めていきたい」と抱負を語る嶋田さん。顧客視点に基づいた顧客接点改革はまだまだ続きそうだ。