2017年4月号 <企業アプリ最前線>

企業アプリ

トップ画面の例(上)。自動のサービス要請の他、コンタクトセンターに電話もできる。「要請」すると、症状の一覧を表示してトラブル内容を選択(中)。「状況確認」で出動車両の位置や到着予定時刻を確認できる(下)

プレステージ・インターナショナル

プレミアアシスト・ダイレクト

PRESTIGE INTERNATIONAL

アシスタンス・サービスを中心に提供するサービスプロバイダー。秋田、山形、富山に大規模コンタクトセンターを構えている。「プレミアアシスト・ダイレクト」はビジネスモデル特許を取得済み。

 ドライブ中に車両故障などのトラブルに見舞われた際に、ロードサービスは心強い。しかし、大雪などの天候不良時はサービス要請が集中し、コンタクトセンターに電話がつながらないという事態がしばしば発生する。そこで、コンタクトセンターを介さずにロードサービスを要請できるアプリが、プレステージ・インターナショナルが開発した「プレミアアシスト・ダイレクト」である。

 従来のロードサービスは、コンタクトセンターに電話して、トラブル内容、場所、車種、契約番号などを伝え、オペレータが確認して出動可能な作業車両を手配するという流れが一般的。同アプリは、この手順を自動化する。

 「もともと、オペレータが必要事項をシステムに登録し、エンターキーを押せば、最寄りの出動可能車両に搭載したタブレット端末に情報が飛ぶ仕組みを構築していました。これを利用し、お客様自身がスマホでタップした情報を、最寄りの出動可能車両にダイレクトで飛ばすようにしています」と、取締役副社長執行役員の八久保勝也氏は説明する。

 操作性はシンプルだ。アプリを起動して「要請」をタップすると、トラブル内容の一覧が表示されるので選択する。位置情報はGPSから取得、車両・契約番号はあらかじめ登録しておける。必要項目をすべて確認したら出動要請。1〜2分後には作業員からコールバックが入り、状況を説明すれば後は到着を待つだけだ。また、アプリの「状況確認」をタップすれば付近の地図情報が表示され、出動車両が今どこまで来ているのか確認可能で、不安な気持ちも抑えられる。

 対応できるのは、バッテリー上がりやカギの閉じ込めなど、現場作業で復旧できるトラブルに限っている。事故や重度の故障などは、コンタクトセンターを介し、従来のオペレータによる手順を踏む。とはいえ「出動要請の半数以上は現場作業で解決するものです。これを自動化するだけで、お客様の利便性とコンタクトセンターの効率化を同時に実現できます」と八久保氏は話す。

 同社はアシスタンス・サービスを中心に提供するサービスプロバイダーで、アプリは損害保険会社や自動車メーカー/ディーラーが自社サービスとして展開する。現在は、ダイレクト系損保を中心に採用が進んでいる。ダウンロード実績は15万件程度。これをいかに伸ばしていくかが今後の課題だ。

<コーナー解説>
コールセンター(電話)に比肩する重要な顧客接点として有効に機能している企業アプリの事例記事です。

2024年01月31日 18時11分 公開

2017年03月20日 00時00分 更新

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