2016年7月号 <リーダー・オブ・ザ・イヤー 2015>

河口 朱美 氏

「世界品質」の達成・維持につながった
後方支援部隊のモチベーション向上施策

DHLジャパン
CSデベロップメント マネージャー
河口 朱美 氏

Profile

河口 朱美 氏(かわぐち・あけみ)

貿易会社勤務後、2001年にDHLジャパンカスタマーサービス本部入社。コンタクトセンターエージェントとして3年間勤務し、トレーニング、インフォメーション業務担当を経て2013年に現職に就任。カスタマーサービスのナレッジ、システム、トレーニング、レポーティング、WFMなど管理業務全般に携わっている。

 コールセンターの運営は、トレーニングや入電予測、シフト作成、レポーティングなど、前線の顧客対応を支援するチームの役割が大きな要素を占める。

 貨物輸送大手のDHLジャパンの河口朱美さんは、その後方支援部隊であるCSデベロップメントのマネージャーを務めている。

 河口さんのチームは、常にセンター全体の状況を把握したうえで、会社のビジョンに基づいたカスタマーサービスの役割を果たすための舵取りを担っている。自身の役割については、「メンバー全員のやる気を引き出すこと」と語る。そのために会社の戦略、CS部門のKPI、従業員満足度調査結果などをひも解いて説明し、それらとチームの仕事との関係性を浸透させるよう心がけている。

 プロジェクトを推進する際は、「目標」の明示と意義の徹底的な理解を促す。会議のたびに明確なゴールを決め、全員が成果物をイメージできるように議論を導く。とはいえ、自分一人の意図を押し付けるようなことはしない。「冒頭で方向性だけを示し、その後はメンバーの意見を聴くことにある程度専念します」という。仮に、メンバーからの提案が自らの意と異なる場合でも、「信じて、任せる」ことが多いそうだ。もし、自チームの成果に偏った提案のときは、「お客様や他部門への影響を考えてもらえるような質問を投げかけ、無理やりな方向転換はできるだけしないように注意しています」と、常にメンバーに対する気配りを忘れない姿勢を貫いている。

他部門のマネジメントに
自チームの仕事ぶりを聞く

 外資系企業である同社は、常にグローバルレベルで高品質なサービスが義務付けられ、さまざまな共通の品質認証が存在する。河口さんのチームでは、2014年にグローバルカスタマーサービスの認証制度「Center of excellence」の再認証をミッションに改善活動を推進。その際も、メンバーには「この認証制度により世界中のDHLのカスタマーサービス品質を自信を持ってお客様に誇ることができる」という大きな目的を伝えたうえで、55項目におよぶ審査内容のひとつひとつに対して顧客満足や経営貢献の価値を示した。

 さらに2015年は、カスタマーサービスの他のマネージャーやSVに自チームの仕事ぶりに対する満足度調査を実施。現場とのギャップを認識する契機にするなど、より高い次元の改善活動に積極的に取り組んでいる。

2024年01月31日 18時11分 公開

2016年06月17日 19時59分 更新

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