今日から始めるメンタル・ケア One Point Lesson 第3回


あいさつに一言添えよう

著者:きゃりあす 奥 富美子
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   『ストレス一日決算主義』(山本晴義著 日本放送出版協会刊 2005)には、ラインケアをすすめる4つのステップが紹介されています。

 
ステップ1:日頃の気配り、ステップ2:声かけ、ステップ3:話を聴く、ステップ4:つなげる・協力です。

 
上司には、自部門のスタッフ1人ひとりの健康状態を把握することが求められています。
 それには、何気ない挨拶や会話の中で、いつもと違ったところはないか観察をすること、つまり、日頃の気配り(ステップ1)が重要だとしています。

 そのうえで、「上司から声をかける」(ステップ2)を勧めています。
 悩んでいる人は、どのように悩みを伝えればいいのか分からなかったり、「こんなことで相談してもいいのか」と不安になり言いそびれることが多いからです。

 
声をかけてもらえれば、ホッとして、「実は……」と話しはじめることができます。

 
そのあと、ステップ3の「話を聴く」があります。

 ステップ2の「声をかける」ですが、コールセンターでは、「上司から部下へ」だけでなく、「お互いに」とすることが大事だと考えます。
 SVが1人で、「一対一のコミュニケーションで声をかける」だけでは、コミュニケータ個々の健康状態を把握するのは難しいというのが現実だからです。

  日常の中で、同じ職場で働く者同士が、お互いに気配りし合う、そして声をかけあうことできめ細かい気遣いが実現できます。

 
図のように、センター内のコミュニケーションのあり方を、線のコミュニケーションから面のコミュニケーションにしていくことで、コミュニケーション量が増えるのです。

 もちろん、SVが率先してコミュニケータに声をかけることが大切ですが、「いつでも誰とでも、ちょっとした何気ない会話を数多く」も必要ではないでしょうか。

  「なんだか、いつもと様子が違うなぁ」と感じたら、ためらうことなく聞いてみましょう。例えば、「なにかあった?」「どうかした?」「何か心配ごとでもあるの?」と、「おはようございます」のあとに一言加えてみます。

 「お先に失礼します」「お疲れ様でした」のあとも同じです。「顔色が悪いけど、どうした?」「あまり体調よくないの?」「相当疲れた?」と聞いてみます。

  こうして、「日頃からお互いを気にかける」「なにか感じたら、ためらわずに声をかける」ことを習慣化していきましょう。
 「声をかける」ことを、難しく考えずに、まず「実行」することをお勧めします。

(コンピューターテレフォニー2013年4月号掲載)

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2024年01月31日 18時11分 公開

2013年05月20日 12時04分 更新

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