eNPS活用のススメ

「この職場を知人友人に勧めますか」という問いに11段階で回答する『eNPS(エンプロイー・ネットプロモータースコア)』は、人材定着率やパフォーマンスに大きく影響すると言われます。

コールセンタージャパン編集部では、オペレータやSV、マネージャーといったコールセンター従事者を対象にアンケート(実施時期:2017年3月、有効回答数:266件)を実施し、eNSPおよび以下の質問について回答を収集しました。

・ポジティブな従業員体験(EX)の有無
・ネガティブな従業員体験(EX):選択式、複数回答可(
上司への不満/同僚との人間関係/不当な評価/業務の量や内容に対して給料が安い/望まない業務・役割・役職の強要/希望のシフトや勤務日が通らない/残業が多い/サービス残業せざるを得ないことがある/常に監視・モニタリングされているように感じる/表彰やパーティなどイベントごとが多くてわずらわしい
・会社/商品へのロイヤルティ
・評価/給与/風通し/オフィス環境/教育/人間関係の満足度

このうち、eNPSともっとも相関関係が強かったのは、「会社/商品へのロイヤルティ」で、以下、「ポジティブな従業員体験(EX)の有無」「評価の満足度」「給与の満足度」と続きました。


表 eNPSとの相関関係が強かった要素
項目 相関度
会社/商品へのロイヤルティ 0.41
ポジティブな従業員体験(EX)の有無 0.40
評価の満足度 0.36
給与の満足度 0.35
職場環境(風通し)の満足度 0.34
ネガティブな従業員体験(EX)の数 0.32
職場環境(オフィス)の満足度 0.27
教育への満足度 0.26
人間関係の満足度 0.25

人材定着を進めるうえでは、その会社/商品への愛着を深める施策や、商品/サービスのユーザーを採用するといった工夫が有効なようです。

具体的なポジティブな従業員体験(EX)について聞いたところ、顧客や会社からの感謝や同僚/上司からの支援が多くを占めました。
多くのコールセンターで実践されているサンクスカードや表彰、メンター制などは、eNPS向上につながりそうです。

人材定着に向けた取り組みは成果との相関が見えにくい面がありますが、eNPSといった指標を活用することで、1つひとつの成果を可視化しながら進めることができるでしょう。

eNPSの定義や、アンケートの結果はコールセンタージャパン5月号巻頭特集で詳しく解説しています。

2024年01月31日 18時11分 公開

2017年04月25日 10時05分 更新

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