コンタクトセンターで使える!ソーシャルメディア活用の手引き 第5回




写真、挨拶、ルール、マナー――
オンラインコミュニケーションのツボ


ソーシャルメディアでユーザーとつながっても、投稿が目に留まらなければ意味がない。“目に留まる”投稿を続けるには、ソーシャルメディア対応ならではの「お作法」や「ツボ」をとらえる必要がある。今回は、写真投稿や顧客とのやりとりについて、TwitterやFacebookの特徴や機能を活かした具体的なコツを解説する。

著者:オフィスバトン うねだ友希
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 「アカウントを開設して、いざ文章を投稿しようとすると何を書いていいのかわからない」と相談を受けることがある。「できるだけ多くの人に読んでもらいたい」と思うほどに、どう投稿したらいいのかわからなくなるという。

 事実、人は関係のない、興味のない文章はなかなか読もうとしないものだ。TwitterであれFacebookであれ、タイムラインという表示スタイルは友達数が多いと投稿がどんどんと流れ去っていく。応援している企業のFacebookページも、よほど話題になっているか意図して見ようとしない限り埋もれていくものだ。

■「目に留まる投稿」を目指す

 ユーザーの企業フォローに関して世知辛いデータがある。「ソーシャルメディア白書2012」(トライバルメディアハウス/クロス・マーケティング)の統計によると、利用頻度が高いユーザーほどフォローしている企業数も多いという。常時接続または1日5回以上の利用がある超アクティブユーザーでも、4つ以上の企業をフォローしているケースはわずか20%に満たない。半数以上のユーザーが1つも企業をフォローしていないというのが現状だ。

 また、フォロワーには文章を読む義務もない。つまり、たとえフォロー関係を結んでいても、投稿は必ず読んでもらえるとは限らない。

 では、どうすれば人々の目に止まり、読んでもらえるのか?

 まず、基本対策として、投稿時間がある。会社員の通勤時間や昼休みにするなど、ユーザーがアクセスしやすい時間帯を狙うというものだ。

 次に、写真の活用だ。「1投稿1画像」が伝わりやすく望ましい。Facebookにはアルバム機能があるため複数の写真投稿が可能だが、見やすさとインパクトを与えるためにも厳選された1枚を選んで投稿したい。また、写真投稿機能に注力しているFacebookでは、今後見せ方にさまざまな工夫を取り入れられることが期待されるため注目したい。一方、Twitterの場合は文字数制限があるためリンク先のURLの長さに気を付けたい。できるだけ、短縮URLを利用するといい。

■挨拶は好感度につながる

 ソーシャルメディアに限らずメール対応でも同じだが、文章が伝わりづらくて何度も何度も顧客とのやりとりが必要になったケースはないだろうか。「話が通じる」ということは、自分と相手(顧客)との間に“コミュニケーション”という橋を架けることに他ならない。  ソーシャルメディアならではの特色と言えば、第一に「共感」というキーワードが浮かんでくる。担当者の人柄を程よく出しながら顧客と同じ目線で語りかけること、目の前にひとりの顧客がいることを想定しながら書くことが重要だ。 そういう意味で、挨拶は単純かつ効果的である。Twitterでも最初のツイートはまず挨拶から始めたらいい。Facebookにおいても、冒頭に必ず挨拶を入れると好感度が高い。影響力の強いインフルエンサーやクラウト指数の高い人々は、毎朝挨拶からスタートする。  また、人目を引くには、冒頭にアイキャッチな文章を置きたい。ぱっと目に入ってくることが重要だ。例えばスポーツ新聞の見出しを思い出して欲しい。意外性があり瞬時にイメージが頭に浮かぶようなものが多い。もっとも、それ以降の本文が実際と異なる場合や誇大広告になっては、かえってガッカリさせてしまうということは言うまでもない。

■「@」「RT」を使いこなす

 企業の代表として対応するということは、その個人がどんな人であれまずその企業イメージのバイアスがかかっていることも忘れずにいたい。企業で運用する場合、まず就業規約や公序良俗に反しないことは言うまでもないが、ソーシャルメディア特有のものであれば勝手に人の会話に割り込まないことやFacebookであれば許可のないタグ付けなどを行わないことが挙げられる。また、クレームや意にそぐわないコメントがあったからといって削除しては会社としての在り方を問われる結果となるだろう。

 最近の例で挙げれば楽天の「kobo」が該当する。不具合に関する膨大なレビューやコメントが寄せられたが、改善後の誤解を招くとしてすべて削除してしまったために炎上をさらに悪化させる結果となった。真摯に向き合う体制をそのまま残しておくこともネットのマナーなのだ。自社のページだからといって、ユーザーから寄せられた意見やコメントを削除することはマナー違反だ。

 とくにルールに特徴があると言われるTwitterに関して特筆するとすれば、「@」をつけた返信とRT(非公式リツイート)の違いがある。メールでいうところの返信は「@」で返答をするのに対し、RTと冒頭につけて返信する場合は、元の文章を引用する。例えば、「baton」というユーザーから「いつも利用させてもらっています!」というコメントを受けたとしたら、「いつもご利用ありがとうございます!RT @baton:いつも利用させてもらっています!」と返す(図)。

図 Twitterの基本ルール


 いろいろ特徴を述べたが、TwitterにしろFacebookにしろ、基本的には実社会のコミュニケーションと大差ない。「相手やそれを見た第三者が不快になる文章表現を控える」「敬語や丁寧語で書き込む」「誹謗中傷やネガティブなコメントを避ける」などの最低限のマナーを守り、読んで明るく楽しい気持ちになる投稿を心がけることが大切だ。

(コンピューターテレフォニー2012年10月号掲載)

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2024年01月31日 18時11分 公開

2013年02月22日 14時11分 更新

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