日立製作所は、人工知能(AI)を活用、個人の行動データをもとに、良好な人間関係を維持するコミュニケーションや時間の使い方を提案する技術を開発。このほど、同社グループの営業部門の600人を対象に実証実験を開始した。
名札型ウエアラブルセンサーを装着した人の行動データ(身体運動のパターンを抽出)を計測・取得し、時間帯や会話相手別に分類。人工知能技術「Hitachi AI Technology/H」を使って分析し、「ハピネス度」として定量化する。その結果に基づくアドバイスを、スマートフォンやタブレットを通じて個別に配信する仕組みだ。
アドバイスの内容は、「Aさんと5分以下の短い会話を増やしましょう」「上司のBさんと話すなら午前中がオススメです」など。このアドバイスを実行することで人間関係を良好に保つとしている。なお、個別のデータは、他者から閲覧できないよう制限をかけて管理できる。
スマートフォンの表示例
同社の実証実験では、組織全体のハピネス度と生産性には相関があることが示されており、この技術を企業の業務効率向上に役立てたい考え。実際、コールセンターにおける実験では、スタッフのハピネス度が高い日は低い日と比べて受注率が34%高かったという。